緊急事態宣言が明け、4月に入り新年度における各所での事業も始動している。この1年は試行錯誤であったが、新型コロナウイルスの感染リスクもある程度解明されてきた中で、リスクを正しく理解した上で、組織・事業継続に必要なオフライン機能の一部再開に関して模索し始めているところも多いだろう。
観光業界にとって再開を期待する需要としてMICEが挙げられる。その中でも、企業の報奨旅行や全社会合等は控えめな傾向が続いているのも事実だ。
無駄な移動を極力避けることは引き続き対策しつつも、企業経営において必要な一体感醸成においては、実際に顔を合わせることで得られる効果の大きさもある。リモート化が進んでいるからこそ、どこかでリアルに顔を合わせられる機会を模索している企業も多いはずだ。
これからは、関係者全員が正しく感染リスクを理解し、対策を取って新たな基準で運営していければ、必要な会合は一部再開していけると考えている。
大前提として、主催者、参加者、受け入れ側、そして受け入れ地域が正しく感染リスクを理解して、対策を徹底していることが条件になる。
特に自社企画となると、部外者を呼ぶものでないが故に徹底が可能である。メディアからの憶測だけでなく、スタッフ教育の一環として徹底できれば日々の事業遂行も次のフェーズにいけるはずだ。
その時の参考となるのが、内閣官房ホームページ(HP)の「新型コロナウイルス感染症対策」業界別ガイドラインだ。実施に関係する業界のものをきちんと読み込めば対策は打てるはずだ。このHP右側タブのピンク色の「業種ごとの感染拡大予防ガイドライン一覧」には23業種のテーマがあり、担当省庁別の各業界団体が策定したガイドラインのリンク集がある。
カテゴリー2「集会場、公会堂」には、文部科学省担当で公益社団法人全国公民館連合会、国土交通省担当で一般社団法人日本コンベンション協会(MICE)、一般社団法人日本コングレス・コンベンション・ビューロー(JCCB)、公益社団法人日本青年会議所、経済産業省担当で公益社団法人日本青年会議所のガイドラインが載っている。
カテゴリー11「食堂、レストラン、喫茶店等」のガイドラインに載っている基準等を理解して実施していくことも方法だろう。カテゴリー15「冠婚葬祭」、19「物流、運送」の内容もしっかりとチェックするとよいだろう。
これらに載っている事項を正しくチェックしていければ、会合の開催・参加・運営基準が明確になり、実施の在り方が理解できるだろう。必要に応じて参加者にPCR検査を実施することで、受け入れ側・参加者同士の安心感醸成も選択肢となるだろう。まだまだ感染状況が落ち着かない中なので、不要不急の会合は要検討であるが、各種知恵を絞りながら展開の模索は可能である。
新年度に入り、ウィズコロナも2年目に突入する中で、自粛だけでなく企業の存続、経済循環のためにも正しい理解、対策からの活動再開に注目したい。
(地域ブランディング研究所代表取締役)