今から50年ほど前に「油断大敵」という格言がしばしば話題になった。油断大敵は広辞苑によると「油断（気をゆるして、注意を怠ること）は物事の失敗の原因となるから大きな敵である」と定義されている。その語源の一つは比叡山延暦寺の根本中堂（国宝）内陣にある「不滅の法灯」という説がある。不滅の法灯は天台宗の開祖最澄が本尊の薬師如来を祭った際に灯した火で、以後1200年以上にわたって僧侶たちが灯し続けている。法灯は皿に注がれた灯油（菜種油）を灯心が吸い込んで灯っている。皿の灯油が無くなると火が消えるので、油断なく毎日油を注ぎ足して「不滅の法灯」が守られている。
1973年に中東危機を契機に第1次オイルショック（石油危機）が発生、78年にはイラン革命を機に第2次オイルショックが起こった。2度にわたる石油危機は日本の政治・経済・社会・文化に多大なインパクトを与えた。重厚長大産業から軽薄短小産業への移行、火力発電から原子力発電への移行、さまざまな節約を重んじるライフスタイルへの変化など、日本全体に大きな構造的変化が生じた。
オイルショックから半世紀を経た日本では今ミニ・オイルショックが生じている。北海道新聞ソウル駐在員による報道では「韓国で北海道旅行の人気が再燃している」とのこと。日韓関係改善や円安が追い風になり、温泉や自然美などの観光資源が評価されて、韓国人来道者数が過去最多ペースで増加している。韓国からの旅行者が道内のインバウンド回復をけん引しているのは観光・旅行業界にとってうれしいニュースだ。
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