沖縄嘉手納基地内に、日本人も入れるレストランがあると聞いた。調べてみると、嘉手納飛行場から国道を挟んだ嘉手納マリーナ内に、米空軍の施設だが一般人にも開放しているレストランを発見。「シーサイド」というその店の公式サイトは、モチロン英語。
先日、行ってみよう!と電話をしたら、やっぱり英語。予約は受けていないと言うので、夕食としては少し早目の時刻に訪れた。
入り口で「4People」と告げると、意外にも「4人ね」と日本語で返って来た。メニューも日本語併記だ。だが何と、価格は総てドル表示ではないか! 今1ドル約112円だから…と計算しながらお料理を選ぶ。
テーブル担当は日本語を話せるスタッフ。いろいろ食べてみたいので、あれこれオーダーして、すべてシェアすることに。まず運ばれて来たのはシーザーサラダ。うわっ!と叫んでしまうほどのアメリカンサイズ。でも、ロメインレタスを使った本格派で、粗くおろしたパルミジャーノチーズもタップリかかって大満足。
お次はカラマリ・フライ。考えてみると日本では、衣の種類によって揚げ物の名称が異なる。何も付けなければ素揚げ、小麦粉を水と卵(または卵黄)で溶いた衣は天ぷら、小麦粉に卵白あるいはベーキングパウダーなどを混ぜた厚めの衣ならフリッター、下味を付けた素材に小麦粉や片栗粉をまぶして揚げれば唐揚げもしくは竜田揚げ、そしてパン粉の衣ならフライかカツと呼ばれる。ほかにも磯辺揚げや道明寺揚げなどさまざまある中、パン粉が付いたものだけを「フライ」と呼んでいる。だが米国ではほとんどの場合、「フライ」は揚げ物の総称だ。…と、話はかなりそれたが、つまりフライといってもイカの唐揚げ的な物だったと言いたかったのだ。
続いてクラブ・ケーキ。簡単に言えば、カニの身で作ったハンバーグ。筆者が海外でよく食すメニューの一つだ。表面がクリスピーに焼かれ、中はしっとり。
シーフード・ビスクも超が付くほどボリューミー! 12オンスってことは約340グラムもあるのだから当たり前だが、大きなスープ皿満タンに入ったそれを見た途端、コレで1人前かい!とツッコミを入れたくなった。お味はといえば、しっかり甲殻類のダシが効いて美味、カニの身もたくさん入っている。これで5.95ドルなら、とってもお得だ。
その後シーフード・パスタとフィッシュ&チップス、ロブスター・テールのグリルを食し、メインはTボーン・ステーキ。これまた超特大、筆者の顔より大きいではないか! 骨の周りのお肉っておいしいのよね、と言いながらしゃぶりつくし、ディナーは終了。
見渡せば、既にほぼ満席で、ゲストの9割は米国人。テーブル・チェックの折、ここではチップが必要だと言われた。どうりでサービスが良いワケだ。支払いはカードか、現金なら米ドルのみ。パスポートなしでもアメリカにいるかと錯覚してしまうほど、アメリカンなひと時を満喫できた。
※宿泊料飲施設ジャーナリスト。数多くの取材経験を生かし、旅館・ホテル、レストランのプロデュースやメニュー開発、ホスピタリティ研修なども手掛ける。