【脱炭素でスマートな旅館 11】旅館の面積効率を考える 国際観光施設協会 エコ小委員会


 旅館の面積効率が悪い要因は二つあります。一つ目はもともと団体客向けに造られていて大浴場、宴会場、売店など客室以外の施設の割合が多いことです。エコ・小活動のデータから旅館の延べ床面積を各室数で割ると平均145平方メートルになり、客室面積45平方メートルで割ると33%になります。客室は売り上げに直結し、レンタブ比に該当する客室の比率が33%と低いのが旅館の収益性の低さにつながっていると思います。

 二つ目は団体客から個人客になったことです。私が若い頃に、団体旅館は1人当たり30平方メートルをめやすに設計していましたが、客室10帖の定員が5人から2.5人と半分になり1人当たり面積が約倍になっています。

 それでも施設が有効利用されていれば良いのですが、例えば大浴場では団体が一度に入っていたのが、個人客になり人数が半分になった上に、三々五々入るので同時利用人数は4分の1程度になっています。そして大きすぎる浴槽と脱衣カゴ、洗い場など数が多く持て余している状態です。客室露天風呂も多くなり、大浴場の位置付けも変わってきています。

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