【脱炭素でスマートな旅館 16】空気の流れで快適環境 国際観光施設協会 エコ小委員会


 宿泊施設のロビーやレストランでは“高天井”が多く見かけられますが、このような構造の中でも良好な温熱環境を省エネ的に作り出すことが必要です。

 冷暖房は、室全容積を対象にするのではなく居住域(床上2メートル程度)の温熱をコントロールできれば省エネの観点からはベストということになります。しかしながら、冷たい空気は沈み、暖かい空気は浮くので“高天井”では上下の温度差が大きくなるので、ここが問題となります。冷房時はその方が望ましいのですが、課題は暖房時に天井上部に必要な暖気が滞留してしまうので、その暖気を居住域まで下げる方法です。

 結論で言うと暖気だけを居住域に留めることはできないので室全容積の空気を攪拌(かくはん)することになります。その撹拌させる送風機をサーキュレーターと呼び、そのひとつにシーリングファンがあります。シーリングファンは、回転数100回転/分、消費電力40ワット程度の低騒音のプロペラファンで面積に応じた台数を天井から吊り下げます。

 なお、ヒートポンプエアコン(HP)を使用する場合は、ファンコイル(FC)と比べると送風能力が低いので暖気が偏りやすくなりますが、このシーリングファンを併用することで解消することができます。また、シーリングファンは高所に設けることからファンの掃除の方法も考える必要があります。

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