宿泊施設の脱炭素は容易ではありません。新築であれば、ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)にできますが、既存建物は断熱性が低く設備も老朽化していて、脱炭素と言ってもどこから手を付けていいか分からないと思いますが、企業である以上、社会的責任として脱炭素に取り組まねばなりません。
脱炭素経営によるメリットは、優位性の構築、水光熱費の低減、社員のモチベーション向上や人材獲得力の強化、優遇税制・低利融資があり、取り組まないと、「カーボンフットプリントを意識するインバウンド客に敬遠される」やカーボンプライシングへの対応の遅れなどのデメリットがあり、その取り組みは利益につながります。
製造業での脱炭素は (1)省エネでエネルギー使用量を削減する、(2)CO2排出量の少ないエネルギーに転換する、(3)CO2排出の無い再生可能エネルギーに切り替える―の3段階で進みますが、製造業と違い宿泊産業は省エネが進んでいないため、(1)のエネルギー使用量を削減することが大きいです。間違えていけないのは工場と違って、快適性を損なうことなくという条件付きの省エネにする必要があり、有効な対策をとるためにエネルギーをいつ、どこで、いくら、何に使っているかを時間ごとにデータ化したいのです。
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