【観光の学校特集】フィールドワークで観光を学ぶ 江戸川大学


崎本教授

 江戸川大学は千葉県流山市の駒木キャンパスで観光教育を行っている。流山おおたかの森駅(つくばエクスプレス・東武アーバンパークライン)から無料スクールバスで6分、徒歩だと18分の便利な場所に立地している。

 同大のルーツは1931年設立の城東高等家政女学校。「教養ある堅実な女性の育成」を教育理念とし、その指針として「誠実」「明朗」「喜働(きどう)」の三つを掲げた。現在、学校法人江戸川学園は、1990年に開学した江戸川大学をはじめ小・中・高・専門学校の計7校で、約7千人の学生、生徒、児童が学ぶ総合学園となっている。

 江戸川大学としての教育理念は「人間としての優しさに満ち、普遍的な教養と時代が求める専門性により社会貢献できる人材の育成」。つまり「人間陶冶」を掲げている。「情報力を磨き、国際力を育てる」ため、同大学では開学以来、学生全員にノートパソコンを無償貸与。ハイレベルな留学を支援する奨学制度「グローバル・スタディ・プログラム」も整う。同プログラムは、「入学時英検2級以上で初年次学費35万円減免+夏季海外研修費用免除」「留学費用約300万円を大学が全額支給」「帰国後の学費55万円減免」と極めて手厚い。

 同大は、社会学部(現代社会学科、人間心理学科、経営社会学科)とメディアコミュニケーション学部(マス・コミュニケーション学科、情報文化学科、こどもコミュニケーション学科)の2学部6学科制。観光教育は社会学部現代社会学科(定員80人)が担っている。

 同学科は「観光学ゼミナール」「テーマパーク・観光まちづくり学ゼミナール」「文化人類学ゼミナール」「民俗学ゼミナール」「環境学ゼミナール」「自然と人間の共生学ゼミナール」「博物館学・文化遺産学ゼミナール」「レジャー社会学ゼミナール」「スポーツ社会学ゼミナール(競技)」「スポール社会学ゼミナール(公共)」の10ゼミナールを10人の教員が担当している。

 観光学ゼミナールを担当する学科長の崎本武志教授は「現代社会学科の10ゼミナールは全て『観光』というキーワードでつながっています」と話す。同教授はJTBの出身。日本国際観光学会の会長、鉄旅オブザイヤーの審査委員も務めている。

 「社会学部現代社会学科では、社会学を基盤にした基礎的な知識とフィールドワークの調査手法を身に付け、多様な研究領域から社会の課題解決にアプローチ。『現場で学び、問題に切り込んで常識を疑い、解決策を提示する』という一連の流れを重視しています。『地域社会(ヒト)』『資源(モノ)』『制度(しくみ)』という三つの視点から現代社会を捉える力を養うとともに、実際に現地を訪れて調査研究を行う『フィールドワーク』で、調査力、発見力、考察力、マネジメント力、解決力を身に付けます。3年次からは10の研究領域から興味関心に合ったゼミナールを選択し、自身の研究テーマを探求していただきます」(崎本教授)。

 観光学ゼミナールのフィールドワークでは、JR東日本の柏駅と連携して、JRの駅を基点に周辺地域の魅力を楽しむイベント「駅からハイキング」に参画。スタッフとして参加し、当日の受付、スマホアプリの利用方法の案内なども行い、ホスピタリティを実践で学ぶ場ともなっている。

 同学科の卒業生の就職先は、クラブツーリズム、リゾートトラスト、秩父鉄道、日光・鬼怒川リゾート鬼怒川温泉山楽、グリーンホスピタリティマネジメント、東横イン、伊東園ホテルズ、休暇村協会、ベストブライダル、ダイナテックなど。観光・観光関連業界へ確実に人材を輩出している。


江戸川大学(駒木キャンパス)


崎本教授

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