【観光業界人インタビュー】楽天トラベル 髙野芳行事業長


 楽天のトラベル事業のトップである髙野芳行氏(楽天株式会社執行役員・ライフ&レジャーカンパニーヴァイスプレジデント・トラベル事業事業長)に、楽天トラベルがこのほど発表した「契約プランおよびアロットメントの変更」「手数料率の変更」「民泊掲載開始」などについて聞いた。

 ――アロットメント制限(提供部屋数の最低条件)の廃止は画期的だ。

 「現在のA・B・Cプランに分かれた契約とそれに伴う手数料率などの契約体系は複雑すぎたので、シンプルな形に変更する。オンラインカード決済など決済方法によって異なっていた決済手数料も一律2%とし、トランザクションフィーも無料にする」

 「アロットメントは旧来の旅行会社の手法だ。インターネットで旅行者が直接予約し、日々在庫状況が変化する今の時代には合わない。旅行者に良い商品を提供し、サイトの集客力をより高めて宿泊施設の売り上げにつなげるため、他のOTAと同等の客室数、同等の料金での提供をお願いしたい」

 ――今回の手数料率の変更で、旅館・ホテルが楽天トラベルに支払う手数料の総額は増えるのか減るのか。

 「これまでの契約プランと今後の予約状況によるので、減る宿泊施設も増える宿泊施設も出ると思う。正直、やってみなければわからない」

 ――楽天ライフルステイの合法民泊物件が9月をめどに楽天トラベルで予約できるようになる。

 「合法民泊は、いわゆる“民泊新法”が施行される6月以降は、旅行者にとって宿泊先の選択肢の一つとなる。楽天ライフルステイの物件を掲載するものであり、楽天トラベルが直接運営に関わるわけではない。全てのジャンルの宿泊が予約できる総合旅行予約サイトとなることで、サイト全体がアクティブになるはずだ。そのことが結果的に旅行者にとっては多様で自由な旅を可能にし、旅館・ホテルにとっては予約増につながるようになる。そういう考えで進めている」

 ――ユーザーの予約方法が「宿泊プラン」から「部屋」と「オプション(食事など)」「プロモーション(割引など)」を自由に選ばせる形に変わる。

 「宿泊施設の多様なサービスをオプションという形で分解して示すことで、ユーザーの目にとまりやすくすることができる。同時に、必ず2食付きを選択させるような設定も可能にし、宿泊プランに当たるものも表現できるようにする予定だ」

【聞き手・江口英一】

※詳細は下記紙面PDFに掲載

http://www.kankokeizai.com/image/2018pdf/20180203_08.pdf

 

 


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