観光経済新聞社は10月3日、観光業界の識者を招いてのオンラインセミナー「観光経済新聞チャンネル」の第23回配信を行った。観光施設に特化した人材サービス事業を運営するダイブの外国人雇用推進ディレクター・菅沼基氏が、「特定技能の宿泊分野における活用と今後について」をテーマに講演した。
菅沼氏は、宿泊施設の人手不足解消の突破口の一つとして、安定した雇用や質の高い業務遂行能力が見込める「特定技能」の必要性を強調。誤認しやすい点として、宿泊分野はマルチタスク業務が可能な分、指定業務を全般的に行うこと、調理や清掃をメイン業務とすることは禁止などの注意点を解説した。「不法就労助長の摘発が増えてきている。リスク回避のためにもしっかりと法律を順守すべき」。
内定者が勤務開始までに要する期間についても説明。入管(出入国在留管理庁)や現地大使館が混雑しており、国内人材は1~4カ月、海外人材は4~6カ月と長期化している現状を伝え、「獲得競争はすでに始まっている。ぜひ外国人雇用にチャレンジしてほしい」と菅沼氏。全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会が観光庁事業として開催している海外ジョブフェア・マッチングや、菅沼氏が運営するフェイスブックのコミュニティーなどの活用も呼び掛けた。