観光経済新聞社は10月17日、観光業界の識者を招いてのオンラインセミナー「観光経済新聞チャンネル」の第24回配信を行った。群馬県草津町の黒岩信忠町長が、「草津温泉百年の計~入込客数400万人の達成に向けて」をテーマに講演。「100年先を見据えた付加価値の高い町づくり」をテーマに取り組んできた草津町の観光政策を紹介した。
同町は昨年度、過去最高の入込客数370万人を記録した。本社が主催する「にっぽんの温泉100選」に21年連続1位入選を果たし、ブランド総合研究所が発表する「市区町村魅力度ランキング2024」では29位にランクイン。黒岩町長を主導とした先進的な町づくりは幅広く評価されている。
黒岩町長は、町長就任からこれまでを回顧し、東日本大震災の被災者受け入れや本白根山の噴火対応、新型コロナウイルスの影響など、さまざまな困難を乗り越えながらも「湯畑の徹底的な磨き上げに取り組んできた」とコメント。“町づくりは景色づくり”の考えのもと、取り組んできた電柱の地中化や公衆トイレのリニューアルなどの修景整備や、ライトアップなどの空間整備事業を紹介した。また、草津観光公社の立て直しやふるさと納税活用による財源確保など、財政改革の変遷についても解説した。
今年度は、クラシックエリアの整備に注力し、もみじ公園の新設や、バスターミナルの改修などに取り組んでいる。また、来年11月にオープン予定の「天狗山レストハウス」の活用についても言及し、本白根山のジオラマを設置することで防災啓発施設としての役割も果たすことを強調した。
最後に、黒岩町長は「草津温泉に完成はない。これからも手を緩めることなく、さらに元気になり、魅力がアップする草津温泉をつくり上げていきたい」と意欲を示した。
黒岩町長
当日はハイブリッド形式で開催。町民らが草津町役場で聴講した