観光経済新聞社は11月21日、観光業界の識者を招いてのオンラインセミナー「観光経済新聞チャンネル」の第26回配信を行った。雪国観光圏代表理事でいせん代表取締役の井口智裕氏が、「インバウンド時代に対応、宿と地域が一体化するブランド戦略」をテーマに講演した。
井口氏が代表理事を務める「雪国観光圏」は、新潟、群馬、長野県の3県7市町村にまたがる広域観光圏。雪と共生する地域特有の文化や暮らしを「雪国文化」としてテーマ化し、広域で連携しながら観光振興に取り組んでいる。
井口氏は、「インバウンド需要を取り込む上で、単一市町村での戦略では規模が小さすぎる。地域の観光資源をつなぎ、ストーリー性を持たせたブランド構築が求められる」と広域観光の必要性を強調。「スキーなど一つの観光資源だけに依存すると浮き沈みが激しい。地域の広がりと長期的な視点を意識することが重要」と伝えた。
宿泊施設と地域の連携については、「宿と地域のブランディングの一体化が重要」との考えを示し、雪国観光圏で発行しているフリーペーパーを自社のパンフレットとして活用することで地域情報を自社のものとしても訪問者に体感させる仕組みを紹介。こうした連携相乗効果により、ブランドを生み出すことが可能になることを説明した。