【観光関連団体トップ 新年あいさつ】「量」から「質」重視の観光へ 日本観光振興会会長 菰田正信


日本観光振興会会長 菰田正信氏

 謹んで新年のごあいさつを申し上げます。

 昨年は、訪日外国人旅行者数が過去最高の3500万人を超え、日本各地の観光地は活況を呈しました。一方で、人材不足や、一部地域では混雑が常態化し、地域住民の日常生活への影響が生じるなど、課題にも直面しています。

 観光産業が持続可能な形で成長を遂げていくには、DXの推進により生産性や収益力を高め、その分人の手でしか行えないサービスやホスピタリティの向上を行い、量から質を重視した観光へ転換することが大変重要です。

 当協会では昨年、地域のマーケティングデータ戦略支援ツールである「日本観光振興デジタルプラットフォーム」を構築し、広く提供を開始しました。当協会が保有する全国約12万件の観光情報と30の統計・ビッグ・調査データを掲載しており、常に最新のデータを簡単に取得し、地域・企業の効率的かつ効果的なマーケティング活動の実現に活用いただけます。
 また、北米や欧州のDMOが集まる会議体にも積極的に参加し、海外の最新トレンドに関する情報を収集し、得られた知見を持ち帰り国内に広く発信するなど、持続可能な観光地づくりに貢献できるよう努めています。

 さて、今年はいよいよ「大阪・関西万博」が4月に開幕します。世界中から多くの観光客が集まり、関西のみならず日本全体が、世界的潮流をとらえた観光地として脚光を浴びる絶好の機会になります。また、5月には日本と台湾の観光関係のトップが一堂に会する「日台観光サミット」を鳥取県で開催するほか、9月には、中部圏で初めての開催となる「ツーリズムEXPOジャパン」が、愛知県国際展示場にて開催されます。

 このような機会に加えて、全国組織である利点を生かした事業などを通じ、当協会はあらゆるステークホルダーとともに、持続可能な観光地域づくりを軸とし、観光産業の発展を目指します。これにより、観光がわが国の経済発展に貢献し、諸課題解決の役割を担えるよう取り組み、国内外に力強く発信することで、観光の価値向上にまい進する一年にしてまいりたいと思いますので、引き続きご支援とご協力を賜りたく、お願いを申し上げます。

 最後に、皆さまの今年一年のご多幸をご祈念申し上げ、年頭のごあいさつとさせていただきます。


日本観光振興会会長 菰田正信氏

 
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