新年あけましておめでとうございます。
世界的な気候変動に伴う豪雨や地震など、度重なる災害への対応については、業界の努力だけではいかんともしがたい問題が多い中、能登半島地域では度重なる地震や豪雨災害に遭いながらも、復旧、復興に向けて歩み続けている姿勢には頭が下がる思いです。全日本ホテル連盟では、令和6年能登半島地震による2次避難者受け入れのために客室提供を会員に呼び掛けるとともに、各会員ホテルのフロントに募金箱を設置して、お客さまのご厚志による義援金を日本赤十字社を通じて被災各県に寄付させていただきました。
また、コロナ禍を経て宿泊業界のみならず全産業で未曽有の人手不足の時代を迎えています。その問題解決に向けてDXによる省人化や外国人材の採用も進んでいる一方、宿泊業界が抱える宿命として週末や連休、お盆休み、正月等が忙しく、朝早く、夜遅いなどのシフト勤務があることなど、一般的な会社と比べると募集していく上で選ばれにくいような事情が存在します。
当連盟では、このような状況を改善するため、ホテル産業フォーラムを開催し、ホテル業界の魅力と働きがいの向上に取り組んでおります。その中で私は、われわれホテル従業員の本当の仕事は何かと問うた場合、「人は良い思い出が多ければ多いほど幸せであり、その良い思い出づくりのお手伝いをすること、すなわち人を幸せにすることが私たちの本当の仕事である」と伝えています。
これから業界を挙げて取り組むべきことは、業界のイメージアップと人材確保です。そのためにホテル業はお客さまに喜びを与えられるやりがいを感じる職業であることを分かりやすく伝え続けることであり、他業種と比べてもより良い雇用条件を提示できるようにしていくことがホテル経営者としてのミッションであると考えます。新年を迎えるに当たり、改めてこれらの問題に取り組んでまいります。
全日本ホテル連盟会長 清水嗣能氏