世界には富裕層と呼ばれる大金持ちがいる。どんな生活をしているのか想像もできないが、旅行に関してもお金を惜しまないようだ。泊まるところも同様で、1泊数十万円という単位の出費もいとわないといわれる。
しかし、日本には富裕層向けの宿泊施設が少なく、外国人富裕層から不満の声も出ていると聞く。海外富裕層マネーの受け皿となる施設や旅行商品などを各地で展開できれば、地域経済の活性化に結び付くかもしれない。
観光庁は地方に外国人富裕層を誘致するため、今年度中に全国に10カ所程度のモデル観光地を選定し、富裕層の受け入れ態勢整備に向け集中的に支援する方針を打ち出した。本格的な受け入れのきっかけとなるか。
観光庁によると、19年の訪日外国人旅行者は約3200万人で、その消費額は4兆8千億円だった。このうち、1回の旅行で1人当たり100万円以上を消費したのは約29万人。全体の1%にも満たない人数だが、消費額は5500億円を超え、約11・5%を占めている。この層を取り込むメリットは大きい。
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