広島での先進7カ国首脳会議(G7サミット)が21日、閉幕した。19日には、議長を務める岸田文雄首相がバイデン米大統領ら各国首脳を出迎え、被爆の惨禍を伝える広島平和記念資料館を訪問した。
核兵器を保有する米英仏3カ国を含むG7首脳がそろって資料館を訪れるのは初めて。現職の米大統領としては、バイデン氏が2016年のオバマ氏以来2人目となる。
首脳は被爆者の遺品や被爆の惨状を示す写真、資料などを見てどう感じたのだろうか。核兵器使用の恐ろしさを胸に刻み、使用は絶対許さないと思ってくれることを願うばかりだ。
「ダークツーリズム」という旅の仕方がある。JTB総研によると、戦跡や災害被災地など、死、暴力、虐待などの悲劇にまつわる場所を訪問する観光のこと。「ブラックツーリズム」「悲しみのツーリズム」とも呼ばれる。
1990年代に英国で生まれた概念で、死者を悼むとともに、悲しみを共有する観光とされるが、その解釈や捉え方はさまざま。悲しみを受け継ぐという意味から、「ピースツーリズム」と呼ぼうという動きもあるとされる。
会員向け記事です。