【観国之光 464】動き出すか二重価格 丁寧な議論・説明を 観光経済新聞 論説委員 内井高弘


世界遺産・姫路城。入場料の二重価格設定は実現するだろうか

 日本政府観光局(JNTO)によると、5月の訪日外国人旅行者数は約304万人となり、3カ月連続で300万人を超えた。円安の恩恵もあり、その旺盛な消費力は日本経済にとってもプラス要因となる。

 そうした中、外国人と日本人との間で料金に差を設ける「二重価格」を導入するところが出てきている。

 先ごろ、兵庫県姫路市が世界遺産・姫路城について、外国人旅行者の入場料を高く設定することを検討することが明らかになった。民間はともかく、自治体が二重価格の導入に前向きな姿勢を示していることは、この問題に一石を投じたといえなくもない。

 報道によると、姫路城を管理する市の清元秀泰市長は6月16日に市内で開かれた国際会議で、「7ドルで入れる世界遺産は姫路城ぐらい。外国の人は30ドル払ってもらい、市民は5ドルぐらいにしたい」と述べた。

 入場料は18歳以上で千円。1ドル=150円台後半の為替相場で換算すると、入場料は7ドル弱ほどで、外国人旅行者向けの30ドルは約4倍の値上げとなる。議論はこれからだが、値上げ分は城の補修やオーバーツーリズム対策に充てるようだ。

 大阪府の吉村洋文知事は姫路市の考えに理解を示し、「大阪城もやったらいい」といったとか。

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