【観国之光 479】どうなる衆院選 観光立国の鍵握る政権は 観光経済新聞 論説委員 内井高弘


観光立国への歩みを止めてはならない(外国人でにぎわう東京・銀座)

 1344人が立候補した第50回衆院選(投開票日27日)。石破茂総裁(首相)の発言のブレや派閥を巡る政治資金問題などを受け、与党・自民党への風当たりは強い。一般紙・テレビの序盤情勢調査を見る限り、楽観視できない状況だ。もちろん、情勢は変わる可能性がある。ギリギリまで分からない。

 与党の公示前勢力は自民党247、公明党32の計279議席。両党は過半数を確保し、政権を維持できる233議席を勝敗ラインとしている。国民がどう審判を下すのか、注目される。

 観光業界の専門紙としては、どこが政権を握れば観光立国(先進国)が実現するのかを重視したい。全ての党の政権公約をチェックするのはなかなか難しく、現実的な対応としては政権担当能力がある有力政党の公約に的を絞りたい。それでもチェック漏れがあるであろうことをご容赦いただきたい。

 自民党の公約の中で観光と結びつくのは「地方を守る」という項目だ。地方創生の観点から、「地方の振興で日本全体を元気にします」と主張し、「我が国の成長となるインバウンドの拡大とともに、地方の魅力を引き出す観光地・観光産業の高付加価値化等を通じて、持続可能な観光地域づくりや地方への誘客、国内交流拡大に戦略的に取り組みます」と方向性を示している。

 石破総裁はもともと地方創生への思い入れが強く、10月1日の記者会見では「経済成長の起爆剤として強い決意をもって取り組む」と述べた。これを受け、政府内に総理を本部長とする「新しい地方経済生活環境創生本部」が設けられ、内閣官房が事務局となることも決まった。

 弊紙は本社テーマとして「観光立国の実現は地方(地域)から」を掲げており、首相の政治姿勢と近い。観光は地方創生の鍵を握る一つであり、公約実現を望む。

 公明党は「活力ある地域づくり」の中に「観光」という柱をたて、(1)観光立国を強力に推進(2)2030年訪日外国人旅行者数6千万人、消費額15兆円の達成(3)インバウンドの地方誘客を促進―の3点を挙げた。(1)では、従業員の待遇改善や清掃・配膳ロボット、スマートチェックイン機など省力化投資の支援を推進することも盛り込んだ。

 立憲民主党は政策集の中に観光政策を入れ、観光人材の育成、観光資源の付加価値化・ブランド化の促進、旅館・ホテル業の振興などを掲げている。

 観光業に従事する人も有権者であり、自分の信念に従って投票するであろう。ただ、立国実現は政治の後押しが欠かせない。観光立国を進める政党が政権を握り、政策を進めてほしいと思うのだが。


観光立国への歩みを止めてはならない(外国人でにぎわう東京・銀座)

 
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