リクルートは7月16日、「じゃらん観光国内宿泊旅行調査 2024〈旅行市場動向編〉」を発表した。
株式会社リクルート(本社:東京都千代田区 代表取締役社長:北村 吉弘)の観光に関する調査・研究、地域振興機関『じゃらんリサーチセンター』(JRC、センター長:沢登 次彦)は、全国1万5,520人の宿泊旅行者を対象に「じゃらん観光国内宿泊旅行調査2024」を実施しました。この調査は、観光などを目的とした宿泊を伴う国内旅行(出張・帰省・修学旅行などを除く)実態を調べるものです。2023年度(2023年4月~2024年3月)の主な結果は以下の通りです。
観光目的での国内の宿泊旅行実施率は49.5%
国内宿泊旅行にかけられた費用総額は推計7兆9172億円
費用の4割以上を現地消費が占め、特に若年男性で消費額が高い傾向
国内宿泊旅行実施率、延べ宿泊旅行者数、延べ宿泊数推計
・2023年度に国内宿泊旅行を実施した人は49.5%。性・年代別では若年層の旅行実施率が高い傾向。一方、年間平均旅行回数や平均宿泊数は60代以上のシニア層も多く、延べ宿泊数で見ると18~29歳男女、60代男性、70代男性などがボリュームゾーン。
都道府県別の延べ宿泊旅行者数と居住ブロック別の傾向
・都道府県別の延べ宿泊旅行者数が最も多かったのは東京都。関東や九州などは居住ブロックからの旅行者が最も多いが、東北、甲信越・北陸、東海、沖縄は関東からの旅行者が最も多い傾向にある。
国内宿泊旅行の同行者
・「夫婦2人での旅行」が最も高く24.9%、次いで「ひとり旅」が15.9%。18~29歳男性では「ひとり旅」が24.9%を占める。同じ年代でも女性では「友人との旅行」が24.5%とトップ。
国内宿泊旅行の費用総額、1回の国内宿泊旅行にかかった費用
国内宿泊旅行にかけられた費用総額は、推計7兆9172億円。そのうち3兆3773億円(42.7%)を現地消費が占める。1回の国内宿泊旅行にかかった費用で見ると、現地消費額が高いのは18~29歳男性で、平均3万1,300円。
《解説》量より質の観光へ、その「質」を問う観光戦略の必要性
新型コロナ感染症が5類に移行し、本格的に動き出した2023年度の国内旅行市場は、日本人の約半数が宿泊旅行に出かけたという結果となりました。若年層がけん引したコロナ禍の市場動向の流れは続いており、特に女性若年層における旅行実施率の高さ、男性若年層における現地消費額の高さが目立っています。一方、シニア層の方が宿泊数が多く、宿泊費は高い傾向があります。
今、日本の観光政策は、量よりも質を重視する方向にシフトしています。来訪してほしい顧客像を明確にし、その満足度を高めることが質の向上につながります。地域のありたい姿を基にした観光戦略づくりに、自治体や観光事業者の皆さまにはぜひ本調査の動向データをご活用いただきたいと思います。
JRC 主席研究員
森戸 香奈子
調査概要
◎調査方法 インターネットによる調査
※2023年度から回答デバイスの制限緩和による調査画面等の仕様、およびウエイトバック集計の割り付け等を一部変更したため、時系列結果は掲載していない
■1次調査
①調査目的 全国の国内宿泊旅行実施者を抽出することに加え、性・年代別の宿泊旅行実施率を知るために実施した
②調査時期 2024年4月1日(月)~ 2024年4月19日(金)
③調査対象 全国18~79歳の男女(株式会社マクロミルの登録モニター)
④配信数 70万3,438件
⑤調査内容 2023年度(2023年4月~2024年3月)1年間の国内宿泊旅行(出張・帰省・修学旅行などを除く)実態
⑥回収数 9万2,929件(回収率13.2%)
⑦集計対象者 2万件
※2次調査において都道府県別、性・年代別の割り付けに合った回収が得られるように配信した
・配信数と割り付けについて
2次調査のセル別目標回収数は、「令和2年 国勢調査」の都道府県別、性・年代別の人口におおむね従うように47都道府県を8ランクに分けサンプル数を割り付けて配信した
ランクごとに7:6:5:4:3:2:1:0.8の割合で、合計約1万5,400件の回収を目標とした
・2次調査の配信数について
ウエイトバック値のバランスをなるべくそろえるために、県別に均等割り付けではなく、ランクを設けて割り付けを行った上で、1次調査および追加調査の旅行実施者4万5,627件を都道府県ごとに分配し、サンプル数を割り付けて配信した
※回収された9万2,929件のうち都道府県別、性・年代別に割り付けを行い2万件を抽出
性・年代別宿泊旅行実施率を算出
■2次調査
①調査目的 全国の国内宿泊旅行実施者に対して、国内宿泊旅行の内容を知るために実施した
②調査時期 2024年4月8日(月)~ 2024年4月19日(金)
③調査対象 4万5,916件(うち、同居家族モニター289件)
・1次調査において、「昨年度1年間に国内宿泊旅行をした」と回答した人:4万5,627件
・追加調査において、「昨年度1年間に国内宿泊旅行をした」と回答した人のうち、調査協力が得られた60歳以上の家族本人:289件 ※調査回収難度が高い60歳以上の回収数を増やすために追加調査を実施した
追加調査は株式会社マクロミルの登録モニターのうち60歳以上の家族と同居しているモニターを対象として、該当家族が同席する上で回答という条件で実施した
(回収数10,000件<配信数16万7,020件 回収率6.0%>、2次調査対象者数289件)
④配信数 2万7,202件(うち、同居家族モニター9件)
※配信数は対象者の中から都道府県別、性・年代別の割り付けに合わせてランダムに抽出した
⑤調査内容 昨年度1年間に実施した全ての国内宿泊旅行(出張・帰省・修学旅行などを除く)の行き先と回数について、また一人最大3件までの個別国内宿泊旅行について、具体的な内容を調査した
⑥回収数 1万5,555件(回収率57.2%)
⑦有効回答数 1万5,520件(うち、同居家族モニター3件)(旅行件数ベース2万9,948件)
詳細は下記リンクよりPDFをご覧ください
https://www.recruit.co.jp/newsroom/pressrelease/assets/20240716_travel_01.pdf