【調査データ】アジアのマス富裕層旅行者のトレンドが世界の旅行業界を後押し エクスペディア調べ


 エクスペディアは9日、アジア人中間層の嗜好に焦点を当てた調査の結果を発表した。

サマリー

  • アジア人マス富裕層の旅行者のうち 5 人に 4 人 (81%) が、インフレにもかかわらず、依然として旅行が優先事項であると回答
  • アジア人マス富裕層の旅行者は次の海外旅行で、平均すると10 日間以上かけて計 4 都市を訪れる予定を立てており、日本、アメリカ、カナダ、フランス、韓国、オーストラリア、ドイツが目的地の上位を占める
  • アジア人マス富裕層の旅行者は、今後 12 か月間で収入の 4 分の 1 近くを旅行に充てる予定と回答
  • 全体の半数近くが飛行機の座席やホテル客室のアップグレードを求めており、5 人に 2 人がファーストクラスやビジネスクラスの座席を選ぶ結果に

 

エクスペディア・グループはこの度、 Atomik Research 社と提携し、中国、インド、インドネシア、シンガポール、ベトナムの 4,000 人を対象に、2030 年までに世界の中間層の 3 分の 2 を占め、35 億人に達すると予想されるアジア人中間層の嗜好に焦点を当てた調査を実施し、その結果を明らかにしました[1]

 

本調査結果は、増加するマス富裕層[2] (中高所得層を意味する) のアジア人旅行者により優れたサービスを提供し、彼らの嗜好に合わせたキャンペーンを展開するための情報を旅行業界の専門家に示しています。

 

 

■インフレ圧力の中でも旅行支出を優先

アジアのマス富裕層の消費者は、お得なプロモーションや割引、パッケージを活用することで、インフレの影響を抑え、他の支出よりも旅行を優先する方法を模索しています。今後12か月間で収入の平均23%を旅行に充てる予定であり、5人に4人(81%)が、インフレにも関わらず旅行を優先事項として挙げています。また、ほぼ2人に1人(39%)が旅行を新車購入や電化製品のアップグレードよりも優先し、約3人に1人(32%)が外食よりも旅行を優先すると回答しています。[3]

 

■複数の目的地を巡る長距離旅行への投資増加の見込み

多くのマス富裕層のアジア人旅行者は、東アジアや東南アジアの国々への訪問を計画すると同時に、より遠方の海外目的地にも強い関心を示しています。特に、日本、アメリカ、カナダ、フランス、韓国、

オーストラリア、ドイツなどが人気の旅行先として上位に挙げられています。次の旅行では、平均的に10日以上をかけて4都市を訪れる予定と回答した人が多く、旅行期間や訪問都市数は国によって異なり、インド人旅行者は平均14日間、ベトナム人は8日間で最も短くなっています。また、インド人旅行者は5都市以上を訪れる計画が多い一方で、シンガポール、中国、ベトナム、インドネシアの旅行者は4都市以下の予定が一般的です。

 

また、旅行計画においては、回答者の3人に1人以上が旅行会社を利用し、72%がエクスペディアのような予約サイトを使用していることがわかりました。特に、ホテル予約(73%)、航空券予約(70%)、現地ツアーや小旅行の検索(52%)に旅行アプリが活用されています。さらに、アジア太平洋地域では83%[4]の人が旅行ブランドのアプリをデバイスにインストールしており、そのうち36%が定期的にアプリを使用していることから、デジタルツールへの依存度が高いことが浮き彫りになっています。

 

ラグジュアリーな旅行体験を求める傾向

調査によると、マス富裕層のアジア人旅行者は高級な設備やサービス、そして高級宿泊施設を優先して選ぶ傾向が明らかになっており、これらはパートナーにとって重要なアピールポイントとなっています。エクスペディア・グループではこのニーズに応えるため、こだわりをお持ちの旅行者にパートナー企業自らが訴求し、予約を促進するための多様なツールやリソースを提供しています。

 

また、次回の海外旅行におけるプレミアムな体験に関して、旅行者の93%が以下のいずれかの要素を求めていると回答しています。

  • 44% が航空券のアップグレードを求めると回答 (ラウンジの利用、食事、飲み物など)
  • 42% が客室と宿泊施設のアップグレードを求めると回答 (カバナ、ハネムーンスイートなど)
  • 52% が 4 つ星または 5 つ星のホテルを予約すると回答
  • 39% がプライベートツアーや小旅行を予約すると回答
  • 38% がファーストクラスまたはビジネスクラスの座席を予約すると回答

 

地域差はあるものの、航空券のアップグレードや高級宿泊施設、特別な体験が旅行者の最優先事項に挙げられています。中国人、シンガポール人、ベトナム人の旅行者は美味しい食事を重視する傾向がある一方、インド人旅行者はファーストクラスやビジネスクラスの座席を好み、インドネシア人旅行者はプライベートツアーを選ぶ傾向があります。全体として、航空券と宿泊施設のアップグレードが最も人気の高い選択肢となっており、オールインクルーシブパッケージはインド人(61%)、インドネシア人(61%)、ベトナム人(58%)の旅行者の間で最も購入される可能性が高い選択肢の一つとされています。

 

■アジア人マス富裕層旅行者のニーズはユニークなビジネスチャンス

全体の49%が現地の交通機関や食事の作法(43%)、適切な挨拶(41%)、税関での手荷物申告(40%)に関する慣習について不安を感じています。また、3人に1人以上(34%)が、自国語を話すスタッフがいるホテルに宿泊するために追加支出を考える意向があると答えています。このような分析データをもとに、パートナー企業は初めて訪れる旅行者向けのリソースやサービスを提供することで、競争優位性を確保することが可能となります。

75%の旅行者がインフレを理由に次回の旅行でプロモーションや割引、パッケージを求める一方で、依然として贅沢な体験を重視しています。支出を増やす優先事項として、豪華な客室設備やサービス(53%)、体験型小旅行(52%)、文化体験(40%)、ミシュランシェフがいるホテル(31%)が挙げられています。パートナー企業は、豪華な設備やサービスを強調しながら、インフレの影響を軽減するようなプロモーションの展開を検討することが重要になります。

 

また、今回の調査結果では、ロイヤルティプログラムは旅行者にとって依然として大きな魅力を持っていることが分かりました。回答者の86%が何らかのロイヤルティプログラムに加入しており、航空会社、ホテル、クレジットカードのプログラムが高い人気を誇っています。また、ロイヤルティを重視する旅行者のうち、初期の計画段階で特定の目的地を決めていない、または国だけを決めて都市を決めていないと回答した人の割合は30%を占めました。観光局にとってこうした旅行者をターゲットに効果的に渡航先を宣伝することが絶好のチャンスとなります。

 

「アジアにおけるマス富裕層消費者マーケットは、サービスを提供する必要がある最も重要な人口層の一つとして急速に浮上しています。長距離旅行を好み、贅沢な設備やサービスを求めるこの層は、調査結果が示すように、旅行経済に大きな影響を与えるでしょう。エクスペディア・グループの最新の分析データは、アジアの中間層旅行者において、パーソナライズされたプレミアムな旅行体験に対する需要が高まっていることを明らかにしています」(南オーストラリア大学Centre for Enterprise Dynamics in Global Economies (C-EDGE) 共同ディレクター、ピーター オコナー氏のコメント

 

「エクスペディア・グループが確認したアジア旅行市場の目覚ましい成長を受け、我々はパートナー企業の皆様に対し、独自の分析データとソリューションを提供することに尽力しています。また、私たちは旅行業界をリードするテクノロジー、広範なグローバルネットワーク、旅行者行動に対する深い知見を活用することで、アジア人消費者に共感を呼ぶパーソナライズされた体験を提供してまいります。エクスペディア・グループの革新的なプラットフォームを通じて、パートナーの皆様は旅の情報収集から予約、そして旅の進行に至る旅行のあらゆる段階で、旅行者にリーチできるようになります」(エクスペディア・グループ最高商務責任者、グレッグ・シュルツのコメント

 

調査結果についての詳細は、こちらよりご覧いただけます。

 

[1] 世界経済フォーラム、2020 年

[2] マス富裕層のアジア人消費者は若く博識で、3 分の 2 は 40 歳未満であり、4 分の 3 以上は過去 10 年以内にマス中間層を抜け出し、管理職や経営者として富を得ている人々を指します (ボストン コンサルティング グループ、2018 年)

[3]エクスペディア・グループ アジア人のマス富裕層旅行者動向調査2024

[4] 概括 : 自宅を好む旅行者にアプリを通じて継続的にアピール (Google Think Tank、2021 年)

 

 
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