産業能率大学総合研究所は10月25日、上場企業の課長に関する実態調査の結果を発表した。
学校法人産業能率大学 総合研究所(東京都世田谷区、以下本学)は、従業員300人以上の上場企業に勤め、部下が1人以上いる課長級の管理職を対象に、職場の状況や課長自身の意識などに関する調査を実施しました。当調査では、課長の職場での現状や課題、さらには課長自身の人的資本価値(意欲/能力/知識)およびマネジメント行動と、これらが人事・教育施策とどのように関連しているかなど、 多岐にわたる調査結果を報告書としてまとめています。 (有効回答809)
本リリースでは、トピックとなるデータをご紹介します。詳細は添付の報告書をご参照ください。
コンプライアンスの厳格化と知識やスキルの更新要求が顕著
コロナ禍前(2019年)と比較した職場の状況を尋ねたところ、約半数の課長が「コンプライアンスが厳しくなっている(49.3%)」と回答しました。この他「知識やスキルの更新が常に求められている(44.4%)」、「社員の平均年齢が上がっている(38.4%)」、「業務量が増えている(38.3%)」といった項目が上位に挙がっています。また、最下位の項目ではあったものの、約1割の課長が「AIに仕事が代替されている(11.4%)」と回答しています。
※割合はいずれも「あてはまる」「ややあてはまる」の合計
非管理職より給与が高い課長は40%未満
所属する組織の課長職の賃金について尋ねたところ、肯定的な回答率が最も高かったのは「課長の給与は、残業代を加算した非管理職よりも高い水準にある(37.6%)」でした。
一方で、20%弱の課長は残業代を加算した非管理職よりも給与が低いという結果となりました。また、賞与の公正性や仕事の難易度と役割に基づく給与基準の適切さを感じている課長は、全体の30%程度でした。
※割合はいずれも「あてはまる」「ややあてはまる」の合計
目標達成と成果へのコミットメントは高いが、人事諸施策の満足度は低い
仕事への意欲について尋ねたところ、肯定的な回答率が最も高かったのは「目標達成に対して高いコミットメントがある(46.7%)」でした。次いで「より高い成果を出せるように、積極的に努力している(44.8%)」、「組織が求めている以上に、自身の職務を献身的に務めている(39.0%)」と続きます。
一方で、肯定的な回答率が最も低かったのは「人事諸施策に満足している(25.0%)」で、課長職向け人事諸施策の回答結果の総評とも取れる結果となりました。
※ 割合はいずれも「あてはまる」「ややあてはまる」の合計
◆調査概要
調査対象:従業員300人以上の上場企業に勤め、部下が1人以上いる課長級の管理職
調査期間:2023年7月25日~28日(4日間)
調査方法:インターネット調査
有効回答:809人(男性769人/95.1%・女性40人/4.9%)