【データ】秋の海外一人旅の動向 HIS調べ


 エイチ・アイ・エス(東京都港区S)は11月10日、今秋(9、10月)の予約記録から調査した海外一人旅の動向について発表した。コロナ前の2019年、コロナ禍の2020年・2021年の同時期とも比較。一人旅が増加傾向にあることなどを明らかにした。

調査対象:HISにて9月・10月に海外旅行をお申込みの方で一人旅の方を抽出
対象商品:パッケージツアー、航空券海外旅行全体の申し込みにおける一人旅の割合

 今年は全体の約4分の1の方が一人旅でのご予約となっております。コロナ以前の2019年は14.2%であったことから、コロナ禍以降、一人旅の割合は急増したものの、今年に入り複数人での旅行者も増え、割合は減少しつつも、依然コロナ禍以前より高い数値を保っております。近年では、スマートフォンの普及により、世界中どこでも手軽に情報を得ることができるようになったことから、一人旅のハードルは下がりましたが、コロナ禍以降、感染リスク対応や感染予防など、旅行者が気にかける点が更に増えたことから、気軽に参加できる一人旅への需要は高まっていると考えられます。
参考①:2018年の数値—14.0%

一人旅の人気旅先ランキング

 コロナ禍の2020年・2021年は、各国の出入国制限や査証取得、隔離の必要性などもあり、レジャー需要はほぼ消滅し、日本在住の外国籍の方の帰省需要や必要に応じた業務渡航の方が多く、旅先にもその傾向が見受けられます。今年は10月に世界的に人気のグループによるコンサートが釜山で開催されたことを受け、釜山への需要が例年より高くなりました。イベントによる人の国際的往来が再開したことは、海外旅行回復の大きな一歩と考えられます。引き続き、帰省需要や業務渡航の需要もございますが、下記購入商品の構成比で紹介するパッケージツアー利用の比率が伸びてきたことからも、レジャーとしての一人旅の層が戻ってきていることが伺えます。
参考②:2019年の釜山のランキング—10位

一人旅の年代別

 割合としては各年代大きな差は出ておりませんが、レジャーが回復しつつある今年はエルダー層(50代・60代)の動きが活発です。男女比はどの年もほぼ半々~女性の比率が若干高い傾向がありますが、今年3番目に多い20代は、女性が約68%と他の年代より女性比率が大きいのが特徴です。

購入商品

 一人旅でのパッケージツアー利用の場合、宿泊ホテルにて一人部屋追加代金が必要になることから、航空券単品または航空券とホテルを個別に購入される方が多くいらっしゃいます。2019年の比率と今年の比率は同程度であり、商品ニーズはコロナ前に戻っております。

ご予約出発月

 各年、出発月の割合に大きな変化がございませんが、世界的にコロナの感染者が増加しつつあった2020年11月~2021年初旬は、感染に関わる情報が今より不明確な状況であったこと、航空会社の運航が流動的であったことも相まって、早期予約が難しく、国内および旅先の様子をみて間際で予約せざるを得ない状況であったことが伺えます。今年は間際の予約に集中することはなく、2・3か月先のご予約が主流になっております。国際線の運航再開など、先の予約が立てやすい環境に戻ってきたことが要因と考えられます。


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