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前回に引き続き、オペレーター選びに失敗しないためのポイントを紹介しよう。「最初に提案されていた話と違う」「こんなはずじゃなかった」と後悔しないよう気をつけたい。
5、料飲部門の外部委託は慎重に判断する
人手不足が深刻化する中で、料飲部門を外部業者に委託したいという要望は少なからずあるが、旅館・ホテル全体を運営委託する場合と同様に慎重な判断が必要だ。さまざまなケースを想定しながら、失敗しないやり方を説明しよう。
まず、観光地や都市にある宿泊主体型ホテルが料飲部門を運営委託するケースを想定してみよう。周辺の歩行者交通量が多かったり、観光名所やオフィスが密集していたりなど立地に恵まれているのであれば、賃貸借契約を条件にしてテナント募集するのが安定収益につながる。
好立地であれば、有力レストランチェーンや喫茶チェーンの誘致も可能であり、館自体の集客力も高めることができるだろう。地に恵まれていない場合は、地元で信用できるレストラン業者と業務委託契約を締結して食事提供してもらうという手段もある。朝食や夕食のタイミングだけスタッフを派遣してもらい、食事提供するという形式になるだろう。
次に、観光地にある旅館が料飲部門を運営委託するケースを想定してみよう。この場合は、外部業者から採算性が低いと判断されることが多く、賃貸借契約でテナントを募集するのは難しい。
高価格帯の小規模旅館であれば、都市部の料亭と業務提携を行い、料理人を派遣してもらうのが最も有効なやり方だろう。少量かつ高単価の料理であれば、対応してくれる料亭は存在するからだ。
運よく料飲部門を受託する業者が見つかっても、業者任せにしてはいけない。旅館・ホテルの方針に従って運営努力してもらえるよう契約条件を工夫したり、日々の改善の働きかけが必要となる。
例えば、どのような料理を出すか旅館・ホテル側からレシピの要望を出したり、定期的に試食会を行ったり、顧客満足度に応じて奨励金を支払ったりなどである。料飲部門を外部委託したために口コミ点数が下がって売り上げに悪影響が出たということのないように留意したい。
(アルファコンサルティング代表取締役)