前回に引き続き、すぐに効果が出る経費削減のコツを勘定科目ごとに紹介しよう。好況に見える観光業界であるが、政情不安や災害の影響を受けやすいというリスクを軽視してはいけない。多くの利益が出たからといって節税を名目に経費を使い過ぎてしまうと、万が一の時に資金繰りに窮することになる。好況に見える今だからこそ経費の引き締めを行いたい。
17、教育研修費
主なものとして、外部研修の参加費、外部講師による研修謝金、会場費、教材費などが挙げられる。教育研修は人材育成に欠かせないものなので、一律に削減せず、費用対効果を考慮して取捨選択しよう。
組織全体の底上げを図っていくならば、新人向けの接客研修だけでなく、管理職向けのマネジメントスキル研修や語学、PCに関する研修を充実させることが望ましい。
外部講師に来てもらい、独自のプログラムで集合研修を行うのは効果的だが費用がかさむ。スタッフの代表が研修に参加し自らがフィードバック研修を行えば経費削減につながるだろう。
18、営業所費
主なものとして、営業所の家賃、光熱水費、外注人件費などが挙げられる。営業所それぞれの売り上げ貢献度を測定し、費用対効果が不十分であれば撤退もしくは規模縮小を検討しよう。過去の営業方針の延長線上で拠点を維持している場合には聖域なく対応したい。
19、営業交通費
主なものとして、出張営業に伴う交通費、宿泊費などが挙げられる。他の集客手段と比べて成果が上がっているか、営業交通費に営業マンの人件費や営業所費、広告宣伝費、接待交際費などを合算して検証しよう。想定よりも成果が上がっていないならば、フロントなど内勤スタッフと兼任することで人件費を削減しよう。
20、接待交際費
オーナー経営者による利用が多いと想定されるが、私的流用は控えることが望ましい。スタッフに経費削減を指示しても、自身が無駄な支出をしていることは周知の事実となるので取り組みに支障をきたすからだ。
本コラムで紹介した経費削減を実践するためのシミュレーション資料を無料サービスでご提供する。ご興味ある方は、弊社ホームページ(alfa-consulting.co.jp)でダウンロードしてほしい。
(アルファコンサルティング代表取締役)