前回に引き続き、労働集約的なビジネスから脱却し、少数精鋭による効率的な運営を行う方法を紹介したい。今後も稼働が不安定となることを想定すると、最低限のスタッフで効率的な運営を目指すことも有効な手段である。
3、自社に必要な人材タイプを見極める
相次ぐ退職者に対応するために人材採用を急ぐ施設があるが、単なる穴埋めにならないよう注意しよう。過去の組織図を復元するような採用のやり方では、少数精鋭組織を作ることはできない。今後のあるべき組織図を作り、どのような人材が必要か、見極めて求人活動を行うことが望ましい。
人材募集するにあたり、必要な人材のパターンは四つある。
一つ目はプレーヤーである。皆さまの施設でマネジメントや計数管理が十分できているが、単にスタッフが足らない場合はプレーヤーの募集をすると良いだろう。マネジメントができていないのに、プレイヤーだけ募集しても組織が肥大するばかりで少数精鋭組織は作れないことに留意したい。
二つ目はプレーイングマネージャーである。マネジメントや計数管理ができておらず、かつスタッフの人数が足りない場合は、管理職経験がありながら現場スタッフとしてもこなせるプレーイングマネージャーの募集をすると良い。プレーヤーよりも募集時の月給を高くする必要があることに留意したい。
三つ目は監督である。マネジメントは最低限できているが全体の底上げをする必要性がある、計数管理ができていないといった場合は、部門リーダーや支配人クラスである監督の募集をすると良いだろう。ただし、オーナーが自社の課題の本質を理解している必要性がある。
理解なく外部から監督を招聘(しょうへい)しても使いこなすことはできない。運営を丸投げするのではなく、オーナー自ら経営方針や事業計画を示す必要がある。
四つ目は異業種の人材である。マネジメントや計数管理ができており、運営に必要なスタッフがそろっていることが前提となる。異業種の人材が生きるのは、異業種のノウハウの吸収や新規事業に取り組む時である。すぐに成果が出にくい可能性があるので、焦らずじっくり取り組むことをお勧めする。
現在の自社の状況を把握し、どのタイプの人材が必要か、よく見極めて求人活動を行うことをお勧めする。
(アルファコンサルティング代表取締役)