【逆境をチャンスにー旅館の再生プラン 609】初めてでも分かる補助金獲得法3 青木康弘


青木氏

 前回に引き続き、補助金申請に慣れていない施設向けに、効果的な獲得方法を紹介したい。昨年度に引き続き令和4年度も観光業向けにさまざまな補助金が発表されている。これまで申請自体したことがない施設であっても、コツさえつかめば申請は難しいものではない。客室等のリニューアルを行い、業績アップを目指す施設はぜひ挑戦してほしい。

 前回取り上げた「持続化補助金」は、小規模の宿泊施設が集客を行うための補助金として大変魅力的なものである。採択率も高いのでぜひチャレンジしてほしい。補助金の使途は、販路開拓を目的としたものとされているが、実際の支出範囲はかなり広い。具体的な事例を挙げるので、申請書類を作成する際の参考にしてほしい。

 (1)機械装置等費=ラウンジの家具・調度類(ワーケーションや個人客、家族連れ向けなどターゲットが明確である方が良い)、ショーケース(レストランやお土産コーナーなど)、厨房設備(ケータリングやお持ち帰り、ECサイトなど、単なる設備交換ではない目的があること)、動画撮影設備(一眼カメラ、照明、ミニスタジオ)が対象となる。

 (2)広報費=チラシ、カタログの制作外注費や発送費、広告宣伝費、看板作成、販促品、ダイレクトメールが対象となる。ただし、これまで実施してきたものは対象外である。販路拡大のために新たに取り組むことが必要である。

 (3)ウェブサイト関連費=販路拡大のためのウェブサイト制作や更新、インターネット広告、バナー広告、SEO対策、動画作成、システム導入が対象となる。ただし、ウェブサイト関連費は補助金申請額の4分の1までしか認められなくなったので注意が必要である。ウェブサイト更新やインターネット広告の予算を増やしたい場合は、制作会社にチラシやカタログ、広告宣伝等を合わせて依頼しつつ、ウェブサイト関連費の値引き交渉をするなどの対応が必要になるだろう。

 「地域一体となった観光地の再生・観光サービスの高付加価値化事業」の申請に参考となる資料作成例(テンプレート)を本紙読者限定で無料提供している。必要な方は問い合わせてほしい(info@alfa-consulting.co.jp)。

 (アルファコンサルティング代表取締役)

 
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