【逆境をチャンスにー旅館の再生プラン 671】立地と戦略〈1〉 青木康弘


 旅館・ホテルの経営者にとって、「高単価路線を追求していくか、低価格路線に転換するか」、「昔ながらのフルサービスの旅館を維持するか、ホテルのようにサービスを省力化するか」、「本業に特化するか、多角化するか」は悩みの種である。流行だから、競合他社に負けたくないと安易に方針を決めて取り組むと、予期せぬ失敗に苦労することになる。大切なのは、施設の立地と経営戦略の整合性を確保することだ。今回コラムでは、施設の立地に応じた戦略の考え方を紹介しよう。

 (1)立地と高単価路線の整合性

 サービスの行き届いた高単価施設を目指していくならば、施設の立地するエリアで一定レベル以上の人材が比較的容易に採用できることが前提条件となる。大都市圏への交通アクセスが良く若者が地元から流出していたり、有力な工業団地等が立地していたりする地域は採用に苦戦しやすく、上質なサービスを売りにした施設の運営に向かない。

 採用に苦戦するエリアでは、サービスに対して目の肥えた高単価客の要求水準を満たす人材を確保するのが難しい。立派な施設に改修してもサービスが行き届かず口コミ評価が伸び悩むリスクがあるので注意したい。

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