【逆境をチャンスにー旅館の再生プラン 684】宿泊料金の値上げ方法〈2〉 青木康弘


 前回に引き続き、円滑に値上げするための方法を紹介しよう。多くの旅館・ホテルで値上げが実施・検討されているが、人件費や水道光熱費、工事費をはじめとする多くの費用が宿泊料金の上昇を上回るペースで大幅に値上げされている。速やかに対策を講じなければ、赤字に転落するリスクもある。

 宿泊料金の改定はこれまで年1回から2回が一般的であったが、これではコストの変動に対応できない。今後は3カ月に1度見直すルールを設けることが望ましい。会計事務所から過去1年間の月次試算表を取り寄せ、1室あたり、宿泊者1人あたりの変動費と固定費を計算し、今後の物価上昇を見込んで適正価格を算出すると良いだろう。

 昔からの常連客が多く、値上げにちゅうちょしている場合は、まず食事料金から値上げを始めると良い。チェーン店を含む多くの飲食店が大幅な値上げを行っている。宿泊料金全体の値上げに比べ、宿泊客の理解を得やすいだろう。

 過度な値引きを要求するエージェントの企画に参画しないことも重要である。担当者の要請に応じて格安ツアーやプランに参画すると、他のチャネルで販売しているプランとの整合性が取れなくなり、値上げを困難にしてしまうからだ。

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