【逆境をチャンスにー旅館の再生プラン 696】高付加価値経営への処方箋〈3〉 青木康弘


 前回に引き続き、高付加価値化を目指してリニューアル工事したものの、客室単価や稼働率の向上が見られない場合の原因と解決策を紹介したい。

 (3)改装したのに客室単価が上がらない

 客室やパブリックなどの改装を行ったものの、客室単価が思うように上がらないという声をよく聞く。この問題はいくつかの原因が考えられる。

 まず、改装が原状回復のレベルに過ぎない場合だ。表層的な改装にとどまっている場合、付加価値の向上にはつながらない。例えば、和室のクロスや天井の表層替えや美装清掃、バスリフレッシュを行うことは、施設の清潔感を高めるために重要なことである。しかし、お客さまにとって当然期待される基本的な水準であり、価値向上とは見なされない。

 オンライン予約サイトの写真が若干美しくなる程度の評価は得られるかもしれないが、これだけでは客室単価の向上には不十分である。単価を上げるためには、ベッドの導入や水回りの交換など、体験価値を高める本質的な改装を行う必要がある。

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