【逆境をチャンスにー旅館の再生プラン 706】高収益実現の次の一手(4) 青木康弘


 前回に引き続き、現在の高収益を維持し、さらなる発展を目指すために取り組むべきことを紹介しよう。旅館・ホテル業界が、コロナ前の業績を超えて急回復しているのは大変喜ばしいことである。しかし、気の緩みは禁物である。一度成功を収めたからといって油断してはならず、新たな課題が突如として現れる可能性がある。

(4)調理人に依存しない体制を構築する

 質の高い日本料理は旅館・ホテルの魅力の一つであるが、料理提供に必要な調理スタッフの採用が困難な施設が増えている。採用できたとしても、素行の問題が原因で職場内トラブルが発生し、苦労が絶えないという声が多く聞かれる。多くの経営者が若く優秀な調理師を求めているが、実現するのは容易ではない。

 厚生労働省の統計によると、平成に入ってから調理師免許の交付数が最も多かったのは平成9年の6.8万人である。その後、交付数は一貫して減少しており、令和3年には2.8万人と半分以下になった。高校卒業後、19歳で免許を取得したと仮定すると、現在45歳前後の調理師が多いことになる。令和3年に19歳だった人口は117万人であり、若者で調理師となる者は極めて少数である。

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