【逆境をチャンスにー旅館の再生プラン 708】高収益実現の次の一手(6) 青木康弘


 前回に引き続き、現在の高収益を維持し、さらなる発展を目指すために取り組むべきことを紹介しよう。旅館・ホテル業界が、コロナ前の業績を超えて急回復しているのは大変喜ばしいことである。しかし、気の緩みは禁物である。一度成功を収めたからといって油断してはならず、新たな課題が突如として現れる可能性がある。

(5)料理の格式にこだわらない

 これまで調理師に頼らない食事提供体制の必要性を説明してきたが、お客さまの口コミ評価が下がってしまうのではないかと懸念する経営者は少なくない。確かに、料理旅館やオーベルジュにおいては料理そのものが主役であり、宿泊者も舌の肥えた人が多いため、一流の料理人による提供が求められる。

 しかし、このようなこだわりのある料理を求める人は宿泊客の一部に過ぎず、今後はさらに少数派になっていくだろう。その理由は、和食コース料理の接触機会の減少にある。企業・団体の接待や会食、社内行事の減少により、会席料理に触れる機会が減少している。また、冠婚葬祭の簡略化も大きな要因である。

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