【逆境をチャンスにー旅館の再生プラン 711】二重価格の賢い導入法(3) 青木康弘


 前回に引き続き、二重価格の賢い導入法について紹介しよう。二重価格とは、地元客と地元以外の客で料金に差をつけることである。特に、訪日客の割合が高い観光地では、導入についての議論が活発になっている。しかし、クレームをきっかけに国際的なニュースになったケースもあるため、慎重に進める必要がある。

 宿泊料金に対して二重価格を設定することは技術的に難しくなっている。最近ではメタサーチエンジンを利用する旅行者が多く、無数のOTAから最も安い料金を見つけ出すことは容易である。実際に弊社で受託したインバウンド向けアンケート調査においても、旅行計画時の情報収集手段としてメタサーチエンジンを挙げる人が多かった。

 個人旅行者の比率が高まっていることも二重価格導入の難しさにつながっている。予約サイトの多言語化により、海外在住者であっても、宿泊予約をすることは容易になっている。海外OTAだけ宿泊料金を高めに設定をするというのは、通用しなくなってきている。

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