【逆境をチャンスにー旅館の再生プラン 712】二重価格の賢い導入法(4) 青木康弘


 前回に引き続き、二重価格の賢い導入法について紹介しよう。二重価格とは、地元客と地元以外の客で料金に差をつけることである。特に、訪日客の割合が高い観光地では、導入についての議論が活発になっている。しかし、クレームをきっかけに国際的なニュースになったケースもあるため、慎重に進める必要がある。

 観光施設で訪日客向けに割高な料金を設定することは、諸外国でも事例があり、受け入れやすいものと考えられる。公共の博物館や美術館でよく見られるが、日本国内の民営の観光施設であっても同様の手法で訪日客向け料金を設定することは可能である。

 料金設計の方法は二つの考え方がある。一つは、訪日客向け料金を定価とし、国内観光客等を割引料金の対象とする方法である。もう一つは、高い利用料金を払う訪日客向けに特別なサービスやギフトをつける方法である。

 前者は、欧米の博物館や美術館でよく見られる。外国人からは定価の利用料を徴収する一方で、25歳以下の国内在住者や高齢者、障害者を無料としている。また夕方や週末などに入場料を無料とすることで、より幅広い人が利用しやすいように工夫している。

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