【逆境をチャンスにー旅館の再生プラン 718】民間主導の観光まちづくり(5) 青木康弘


 観光まちづくりを効果的に推進するためには、目的や手段に応じた適切な組織形態と進め方を選択することが重要である。具体例を取り上げながら説明しよう。

 まず、地域の事業者で緩やかな協力体制を築きたい場合には、任意団体の設立が適している。旅館・ホテル組合のメンバーを中心に、異業種の経営者も加えて構成することで、多様な視点やアイデアが集まりやすくなる。価値観の合う有志で定期的な集まりを開催し、観光コンテンツやツアーの企画を行う場合には、任意団体としての運営で十分だ。組合員のまとまりがなく、内部の人間関係が複雑である場合には、あえて組合を母体とする必要はない。ホテル支配人会の有志で活動を始めても良い。

 次に、市民や異業種の経営者、ボランティアなど多様な協力者を広く集めたい場合には、一般社団法人の設立を検討すると良い。費用負担や事務負担をいとわないと考える有志を10人以上集められる場合には、初めからNPO法人を目指すことも一案である。特に、自治体や国の補助金の活用、自治体のイベントや調査、広報などの委託事業への参入を考える場合には、一般社団法人やNPO法人が優れている。

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