【逆境をチャンスにー旅館の再生プラン 719】金融問題とインバウンド動向(1) 青木康弘


 2024年8月5日、日本の株式市場は大幅な下落に見舞われ、日経平均株価は4451円安という過去最大の下落幅を記録した。米国の経済指標の悪化、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ観測による円高の進行、中国経済の低迷、中東情勢の不安定など、複数の悪材料が重なったことでパニック売りが発生したとされている。輸出関連企業を中心に懸念が広がっているが、観光業も無関係ではない。今後、相場の反発が予想されるが、しばらくは不安定な状況が続くと見られている。

 円安が永続し、インバウンド集客に追い風が吹き続けるという幻想を持つべきではない。観光客に占めるインバウンドの比率が高い地域では、会合などで「円安がいつまで続くのか」という議論にしばしば遭遇する。観光業の景況に直接影響するため、多くの関心を集めるテーマである。多くの参加者は「あと2、3年は続く」と予測しているが、数年後の為替相場は誰にも予測できない。そのため、都合の良い予想に頼るのではなく、万が一に備えて現実的な対策を準備する必要がある。

 インバウンドが急減する可能性に備えるためには、事業継続計画(BCP)の考え方が有効である。BCPとは、企業が地震や大災害、伝染病の大流行などの緊急事態に備えて、「緊急時にどの事業を継続させるのか」「そのために何を準備し、どのように継続するのか」を事前に検討し、対策をまとめた計画である。

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