【逆境をチャンスにー旅館の再生プラン 720】金融問題とインバウンド動向(2) 青木康弘


 前回のコラムでは、2024年8月5日に日本株式市場が歴史的な大幅下落を記録した背景について触れ、その影響が観光業界に及ぶ可能性を指摘した。今回は、事業継続計画(BCP)の観点から、観光業界がどのように対処すべきかを説明したい。

 まず、為替の急激な変動によりインバウンドが急減した場合、自社の客室単価や稼働率にどの程度の影響が出るかを予測する必要がある。その上で、そのリスクを回避するための施策を検討しよう。リスク回避策は平常時に取り組むべきものではなく、インバウンドに特化している施設が平常時から日本人客の受け入れを増やす必要もない。重要なのは、金融市場が急変した際にすぐに対策を実行できるよう、平時に計画を立てておくことだ。

 リスク回避策としてまず検討すべきは、販売チャネルの多様化である。インバウンドに特化した施設の中には、単一の海外OTAとのみ契約しているケースが見られる。平常時には効率的であるが、金融市場が急変すると売り上げが急落するリスクがある。日頃から幅広いエージェントと情報交換を行い、いざという時にはすぐに販売を開始できるよう取引関係を整えておくことが望ましい。

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