宿泊業は、建物の運営・維持管理にかかる固定費が高く、季節変動や予期せぬ需要低下が発生しやすい業界である。そのため、売り上げや利益が不安定になりやすい傾向にある。経営の安定化を図るには、コストの適正化が重要なポイントとなる。
現在、宿泊業は好調と言える状況にあるが、自然災害や政治・経済環境の変化といった外部要因に大きく左右されやすく、予期せぬリスクが潜んでいる。利益が多く出ている場合でも、節税目的で過度な経費支出を行うべきではない。リスクが顕在化した際、急激な資金繰りの悪化が懸念される。実際に筆者の周囲でも、補助金を活用して積極的に設備投資を行ったものの、見込んだ収益が得られず、金融機関にリスケジュールを申し込む施設が今年に入って目立つようになってきている。
会員向け記事です。