【道標 経営のヒント 268】ホテレス2021でお待ちしています 佐々山建築設計社長 佐々山 茂


 国際ホテル・レストランショーが2月16日から19日まで東京ビッグサイトで開催されます。緊急事態宣言が2月7日に解除されるか見通しが立たない中、開催を危ぶむ声も聞こえますが、企業間展示会のため規制対象から外れています。公益社団法人国際観光施設協会は主催者団体の一つで私も展示やセミナーに参加します。

 協会の共通テーマは「ウィズコロナ時代のニューノーマル」で、「ワーケーション」「フェーズフリー」「町じゅう旅館・ホテル」など現在話題になっているテーマを取り上げています。

 ワーケーションをイメージした人工芝の会場に鳥の鳴き声など環境音が流れる中に7台の大型ディスプレイでテーマ展示します。私のチームは「ウィズコロナ時代の設備」です。換気問題や、浴室、厨房、トイレなどの衛生管理など生活空間で3密や接触を減らす取り組みなどウィズコロナ時代に役に立つ技術を紹介します。照明メーカーの展示ではライティング技術を使い、誘導、誘客、密回避など、人の行動に働きかける照明演出が興味深いと思います。私の事務所も地球環境、温泉価値、地域価値から「ポストコロナ時代の旅館像」を提言します。

 エコ・小委員会は長年取り組んでいる温室効果ガス削減問題です。2030年代半ばに車産業はガソリン車の販売が禁止される中、宿泊産業がエネルギーを無駄使いするわけにはいきません。そこで「宿泊施設もハイブリッド化」の提言をします。空調はヒートポンプの効率が良く電気が有利です。厨房も電気が優れている製品を多く取り入れ、お風呂や給湯は温泉の有効利用で化石燃料の使用量を減らし、効率的なハイブリッド化で温室効果ガス排出量削減につなげる提言です。

 具体的には、宿泊客1人当たりのCO2排出量を50キログラムから20キログラムにすることです。5年掛かりの設備更新を完了した旅館で、宿泊客がある程度戻った8月から11月のエネルギー使用量で効果検証しました。結果は総量で30%削減し、1人当たりCO2排出量は20キログラムを切りましたが、それでもまだ削減余地があります。

 気候変動はワンプラネットで取り組む必要があり、今が分岐点といわれています。自然の恵みで生かされている宿泊産業も環境負荷削減に今こそ取り組み、利益につなげましょう。協会ブースには、これからの宿泊産業のヒントになることがたくさんあります。マスクをつけ、気を付けてお出かけください。東京ビッグサイトでお待ちしております。

 
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