乳白色の天然硫黄泉
古くは奥州三高湯に数えられる、福島県・高湯温泉。それを代表するのが旅館玉子湯(後藤省一社長)だ。多量に湧き出す乳白色のお湯は、一切の加水、加温、消毒を行わない源泉かけ流しの硫黄泉。東北屈指の薬湯としても名高く、神経痛をはじめ諸病に悩む人々を癒やしてきた。
平成25年、その療養効果を科学的見地から検証する実証事業に取り組んだ。定期的な入浴前後の体温、血圧、採血による検査を行ったところ、基礎体温の上昇、血圧の正常値範囲内への改善、活性酸素の濃度の低減が見られ、病気を未然に防ぐ効果が期待できる結果となった。
広々とした庭園には、趣のある茅葺きの湯小屋「玉子湯」が150年前の創業当時と変わらぬ姿で湯浴み客を迎える。湯小屋からさらに歩くと、女性専用の露天風呂、二つの野天岩風呂、足湯が点在する。春から夏は輝く緑、秋は紅葉、冬は降り積もる雪を楽しみながら思う存分、湯めぐりを楽しみたい。
▽福島県福島市町庭坂字高湯7。TEL024(591)1171。http://www.tamagoyu.net/
湯小屋「玉子湯」の湯船