自然と歴史、産業と文化
広島県大崎上島町は、瀬戸内海のほぼ中央に位置する面積43.29平方メートル、人口約7450人の離島です。本土とは、竹原、安芸津港とフェリーで海上約30分で結ばれており、その他、大崎下島、大三島、今治市との航路もあります。
離島ですが、山陽自動車道、広島空港などにより主要都市とは短時間で結ばれています。
瀬戸内海特有の温暖な気候と風光明媚(めいび)な環境の中、島という限られた土地に生き、造船業、海運業、ミカン、レモン、デコポンなど多種類の柑橘(かんきつ)栽培をはじめとする農業、水産業など、先人たちのたゆまぬ努力によって発展してきました。
2011年から体験型修学旅行の受け入れに向けてスタートし、島の特性、文化を生かしたさまざまなプログラムを用意しています。中でも一番のおすすめプログラムは、200年以上の伝統を誇る「櫂伝馬(かいでんま)体験」です。昔は陸の伝達手法は早馬でしたが、櫂伝馬は海での情報伝令の役目を担った木造船で、14人の漕(こ)ぎ手と太鼓1人、船頭1人の16人が乗り込みます。それぞれのポジションで役割を担い、独特の掛け声と太鼓で調子を合わせ、心を一つにして櫂の動きを合わせなければならず、チームワークの育成に比類のない、学校教育には極めて有効なプログラムです。また、瀬戸内の穏やかな海を渡り甘藻場で海の生命について学ぶシーカヤック体験、刺網漁や船釣り、波止釣りでとれたばかりの魚の調理体験、タイやヒラメの養殖漁業体験、温暖な気候で育まれたミカン、レモン、デコポン、はるみなどの多種類の柑橘やブルーベリー、イチゴ、トマトの栽培過程を学ぶ農業体験など、島をまるごと体験していただけます。
また、民泊登録家庭も80軒を超え、約200人の受け入れが可能で、島の人々と生活を共にすることにより、豊かな自然と島独特の人情を感じていただき、島の人々の生き方や命の源の食生産を担う農山漁村の役割を考え、理解する機会となります。これら「まるごと島体験」から、自らの生活や家庭、生き方を省みる機会となり、生きる力と豊かな心を育むきっかけになればと考えています。
皆さまに安心して来島いただけるよう安全、衛生、防火など各種講習会を行い万全の体制でみなさまをお迎え致します。
■SDGs取り組みプログラム
「主体的・対話的で深い学び」に加え、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標。SDGsに取り組むためのプログラムも用意しています。
(1)櫂伝馬(体験人数1回112人、1日224人)
和船文化を受け継ぐ大崎上島に200年以上も前から伝わる木造船。
瀬戸内の水軍が偵察船として使用していたとされる櫂伝馬で心を一つにチームワークの大切さを学びます。
(2)シーカヤック(体験人数1回120人、1日240人)
瀬戸内海の無人島周辺を航海します。また、プランクトンや稚魚がすむ「魚のゆりかご」と呼ばれる瀬戸内海でも有数の甘藻場の観察をし環境学習をします。
(3)農作業体験(体験人数100人)
瀬戸内海特有の温暖な気候で育った柑橘類やブルーベリー、トマト、イチゴなどの栽培過程から農業の厳しさを学び、食について学習します。
チームビルディングに最適な櫂伝馬体験