
岩手県沿岸北部に位置する田野畑村は、人口約2900人の農山漁村です。高さ200メートル前後の断崖が連なる北山崎や鵜の巣断崖など、三陸随一の景観を誇るだけでなく、大自然と共に生きる村民の暮らしを全身で学べる体験プログラムを長年にわたって提供してきました。
田野畑村の豊かな自然の中に築かれてきた歴史や文化、漁業、農業、酪農、林業、観光といった多彩な産業と人々の営み、そして大津波の教訓を胸にたくましく生きる村民の姿は、子どもたちにとってよき先生となります。体験プログラムの指導者は子どもたちとの一期一会を大切にし、素顔と本音で真剣に向き合います。
■組織と教育訓練
体験村・たのはたネットワークがコーディネート組織として手配のワンストップ化を図り、田野畑村役場が後方支援をする官民一体の体制を整え、学校や旅行会社の目的や要望に対し迅速、柔軟に対応しています。プログラムの指導者や民泊家庭は定期的な研修を行い、漁船プログラムについては海上保安庁などとの連携訓練を実施し安全確保に努めています。
■民泊(ホームステイ)
約30軒の受け入れ家庭で約100人(人数によりホテル羅賀荘との交互宿泊による受け入れ体制となります)の受け入れが可能です。山菜を収穫して魚をさばき、共に食卓を囲む体験は、自然の恵みを分け合ってきた人々の暮らしを学ぶ人間教育の原点です。
■宿泊ホテル
太平洋を望む好立地のホテル羅賀荘は、修学旅行の受け入れ実績も豊富。ホテルに隣接する交流センターは、来村セレモニーや体験プログラム、ワークショップなど多目的な活用が可能で、悪天候によるプログラム変更にも臨機応変に対応できます。
太平洋を望む「ホテル羅賀荘」
■机浜番屋群
番屋は漁師の作業小屋で、机浜番屋群は平成18年に「未来に残したい漁業漁村の歴史文化財百選」に選ばれました。東日本大震災の津波による流失後、多くの方の支援をいただき、以前の面影を復元する形で再建。現在は漁師の生業の拠点であるとともに、塩づくりや番屋料理などの体験観光の拠点施設となっています。
【お奨めプログラム】
◆サッパ船アドベンチャーズ 現役で漁に使われている小型漁船(サッパ船)に乗り、漁師の操縦で断崖直下や岩礁の間を縫うように航行する迫力満点のツアーです。洋上や漁港での体験は、漁業の厳しさや漁師の知恵を伝えます。
大地の成り立ちと漁師の営みを学ぶ「サッパ船アドベンチャーズ」
◆大津波語り部 平成23年3月11日に村を襲った大津波は、住家や産業施設、多くの尊い命を奪い去りましたが、被災地では前向きに復興への歩みを進めてきました。当時を知るガイドから、脅威のみならず防災への備えと日常の大切さを学びます。
「大津波語り部」から生の声を聞き、もしもに備える
大津波の脅威と教訓を物語る震災遺構「明戸海岸防潮堤」
◆塩づくり体験 かつて三陸一帯で行われていた塩づくりを、昔ながらの製法で体験できます。起伏の激しい地形や冷たく湿った季節風「やませ」の影響で米作りができなかった三陸では、塩を内陸に運び穀物と物々交換をすることで命をつないできました。風土に根ざした営みを知ることは、日本全国の文化の多様性を理解することにも役立ちます。
【問い合わせ先】NPO法人 体験村・たのはたネットワーク
〒028‐8402
岩手県下閉伊郡田野畑村北山129‐10北山崎ビジターセンター内
TEL:0194‐37‐1211/FAX:0194‐33‐3355
E‐mail:taiken-tanohata@car.ocn.ne.jp
URL:https://www.tanohata‐taiken.jp/