年始で述べたように個人旅行の割合が増加傾向にある。個人旅行の増加はWEBで集客しやすいという利点があるものの、半面、付帯売り上げ(主に飲料)が伸びないというお悩みもよく耳にする。そこで、今号では個人旅行増加時代において、付帯売り上げをアップさせるための施策について考えてみたい。
そもそもの前提として、個人旅行と宴会を主たる目的としていた団体旅行を比べれば、飲料の注文量が違うのは当然のことである。従って、勝手に飲料が注文されていた受動的スタイルから、お客さまに買っていただく能動的スタイルに変えていかないといけないので、まずは意識の転換が大事になる。
「お客さまに3回売りましょう」を合言葉に仕掛けることが多いので、その流れに従って解説をしていきたいと思う。
まず1回目の販売チャンスはWEB上である。主には予約時のオプション販売での仕掛けである。これまでもオプション販売の重要性を幾度となく述べてきたが、自施設で取り扱っている飲料が事前にきちんと販売できているかを今一度、確認をしてほしい。地酒や地ビールなどの、その土地でしか味わえないものがやはり人気である。
2回目の販売チャンスはチェックイン~夕食までの時間である。チェックイン時におすすめの飲料一覧や別注の調理一覧を渡して印象付けしている施設もあれば、客室で読んでいただくように読み物風にして紹介している施設もあり、ここは試行錯誤して、どのようなスタイルでの販促が自施設のお客さまの心をとらえるかを研究してみてほしい。
3回目の販売チャンスは、ご夕食時である。ここで、きちんとファーストドリンクのお声掛けをしているか、あるいはスタッフがお声掛けしやすいような仕組みができているかが、重要な見直しのポイントとなる。
ここで、紹介したのは1例であるが、いずれにせよ、個人のお客さまには買いたくなるような仕掛けをしないと、財布のひもが緩むことはないので、ぜひ「攻めのスタイル」で付帯売り上げ向上に取り組んでみてほしい。
(アビリティコンサルタント・プライムコンセプト取締役 内藤英賢)