会員のため、そして従業員、国、地域のための持続可能な組織へ
――22年の回顧を。
インバウンドが多い東京や大阪など大都市部の会員ホテルの稼働率が特に低調だった。ビジネス客をメイン顧客としている会員が多く、一部安売り合戦になった。全国旅行支援が始まり、ようやく回復基調に戻った。
一昨年秋、宿泊4団体の会長が観光庁に呼ばれ、Go Toトラベルについて諮問を受ける中で「会社を助けることが、Go Toの目的ではない」と言われ、会社名での領収書発行が禁止されている問題について質問した。私はビジネス客をメイン顧客とする当連盟代表として窮状を訴えた。東京五輪を見込んで都市部で新しいホテルが多く建設され競争が激化し、コロナ禍で人の移動が制限されビジネス客の出張もなくなり、多くの会員が苦しんだ。だからこそ「われわれもGo Toで助けてほしい」とお願いした。「あまり自分たちのことばかり言うのはどうか」とも言われたが、私は会員のために領収書問題やGo To再開を訴え続けた。観光政策に熱心に取り組んでいただいた菅義偉前首相がGo To関連で批判されたこともあり、政府はGo To再開に慎重だった。
しかし、昨春からブロック割が始まり、10月から全国が割引対象となった。都道府県ごとに対応は若干異なるが、現状多くのビジネスホテルでの宿泊やビジネス旅行が全国旅行支援の割引対象となった。頑張って訴え続けたことで「ビジネス旅行の宿泊割引」がようやく実現した。1年近くにわたる訴えが功を奏したと思うし、全国規模の宿泊組織としてやるべきことができたと感じている。
――全国旅行支援について。
支援終了後に入り込みが激減しないよう、ゆるやかに通常営業に着地できるよう観光庁にお願いした。平日と休前日との差が少なくなるようにとのお願いも伝え、実際に地域クーポンの差で調整してもらえた。われわれの主張を取り入れてもらっている部分も多い。
コロナ禍は今春で満3年を迎える。Go Toトラベルが5カ月弱、全国旅行支援もまだ数カ月で、これらの実施期間を合計してもコロナ禍の期間には及ばない。そう考えると旅行支援を長く継続してほしいと考えるが、「支援に頼りすぎると自力で立ち直れなくなる」との声もある。その意見も理解できるが、当連盟が目指す観光立国のために今はしっかり経営体力を回復しなければならない。コロナ禍での借り入れを返済する時期でもあるので、返済期限の延長を含むリスケもお願いしたい。
――インバウンドについて。
会員向け記事です。