立食宴会の回復、課題共有に圧力 ”堂々たる平和産業”を推進
――22年の振り返りを。
コロナ禍が3年目に入り、長いトンネルの出口の明かりが遠くに見えてきた感がある。22年4月、とある企業の周年パーティーが都内のホテルで立食形式で実施され、その際に「立食ビュッフェをそろそろ戻さなければ」との思いに至った。同時期、当協会として東京や大阪で立食ビュッフェのデモンストレーションを開催しようかと思案し始め、私も経済同友会や経団連、商工会議所の各代表を訪問し、「宿泊は徐々に戻り始め、次は各企業の宴会を早く回復させたいのでぜひ促してほしい」とお願いに回った。ところがその後、夏から第7波が始まり状況が暗転した。ホテル業界全体として、20、21年の2年間の最終赤字の合計が、それまでの1年間の最終黒字の約42倍、つまり40数年分の利益を全部飛ばした状況だった。そんな中で「宴会ビュッフェを早く戻したい」という思いがあった。
10月に水際対策が緩和され、全国旅行支援が始まり、兆しが明るくなった。経済的には円安が一部にとっては好影響となり、観光業としてはインバウンド増加に伴う外国人の日本国内での消費額増大が期待できる。
――立食宴会については、科学的見地からの検証も実施した。
神戸大学大学院の坪倉誠教授ご協力のもと理化学研究所のスーパーコンピュータ「富岳」を用いた飛沫飛散のシミュレーションを実施した。換気システムがしっかり整備されたホテル内の宴会場ではクラスターが発生しにくいという話をしていただき、デモも行った。
――22年度のADR(客室平均単価)は。
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