【2025高校教育旅行特集】学びの中に「つかる」旅を! ”おんせん県”の大分県 体験型修学旅行を提案


臼杵まなび旅

 日本一の「おんせん県」を自認する大分県は、海と山が間近に迫る大自然の景観や、日本一という源泉数と湧出量を誇る温泉、時代が創り出した歴史など、紡がれてきた営みとそのぬくもりが地域の暮らしの中に息づいている。県では、それに浸ってこそ巡り合える絶景、文化、食などを生かした体験型の修学旅行を提案。キャッチコピーは、「学びの中に『つかる』旅を!」だ。

 体験プログラムは、農家の暮らしや、食の大切さを学ぶ「農村民泊」や、伝統農法を体験できる「世界農業遺産プログラム」、海外からの外国人と交流し、知見を広げる「グローバル人材プログラム」などを多岐にそろえる。これらの体験学習を学ぶ上で重要な存在と位置付けられているのが「探求ナビゲーター」だ。

 大分県教育旅行ガイドブックは探究ナビゲーターを、教育旅行における体験プログラムの中で、名所や歴史、取り組みなどを案内するとともに、ディスカッションの場を設け、目にした物事から学びを促すことができるファシリテーター的ガイドと定義した。

 教育旅行の現場では、名所などの見どころを紹介する従来の「ガイド」ではなく、生徒に振り返りの機会を提供する「ファシリテーター」の存在が重要視されており、大分県では以前から、人とのつながりや、ふれあいを大切にしたプログラムを展開。その中で、キーパーソンとなる大人がファシリテーターの役割を担ってきた。こうした独自の文化と、近年の需要の高まりを受けてガイドブックでは、ファシリテーターを探求ナビゲーターと称し、その活動を後押ししている。

 環境学習プログラムの「別府湾漁船クルーズ 別府湾から日出(ひじ)町の景観を堪能する」は、大分県漁業協同組合理事がナビゲーターを務める。プログラムは事前学習を経て実際に船に乗り込み、ナビゲーターが海中の生態系や、漁師の仕事を解説。競りの見学も可能という。振り返りの時間では、取れた魚を流通させる仕組みや、美しい海を守るためにできることについて意見を出し合う。

日出町漁船クルーズ
日出町漁船クルーズ

 宇佐市は、平和学習プログラム「宇佐海軍航空隊跡『平和の大切さと命の尊さ』を考える」を提供している。数々の戦争遺構が残る市では以前からこのプログラムを提案。事前学習、事後学習を容易にするため教材開発にも取り組み、VR体験をも活用する。現地学習では全て回り切れない遺構の中を自由に巡ることができる。

宇佐平和学習
宇佐平和学習

 臼杵市では今年から、商業探求プログラム「臼杵まなび旅 城下町復興インタビュー研修 臼杵八町大路大火災復興プログラム」の提供を開始した。城下町として知られる臼杵市では昨年11月に大火災が発生。この火災により自宅兼店舗が全焼した被災者などがナビゲーターを務める。このナビゲーターは、「火はあっという間に燃え広がり何も持ち出せなかったが、多くの人に物や気持ちの援助をいただき、今、復興に向かっている。この経験を、防災教育を兼ねて生徒の皆さんに伝えていきたい」と話している。

臼杵まなび旅
臼杵まなび旅

 大分県の教育旅行についての問い合わせ先は、公益社団法人ツーリズムおおいたTEL097(536)6250まで。

 
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