地元実行委員会を代表いたしまして、心よりご歓迎を申し上げます。
東京での本フォーラムの開催は、今回が初めてとなります。東京は、徳川家康が江戸に幕府を開いてから、一気に発展を遂げた紛れもない日本の首都であり、政治経済の中心地です。ただ、本フォーラムのメインテーマである観光産業の活性化という観点において、果たして十分に楽しむことができて、面白味のある土地なのかという疑問を持たれる方も多かろうかと存じます。しかし、東京を単なる首都機能の側面だけで見るのは、あまりにももったいなく、そればかりか案外と面白い土地であろうと考えます。
東京には、“まだ見ぬ東京”があまたあります。かつては、東京砂漠やコンクリートジャングルなどとも揶揄(やゆ)されましたが、森林面積は、実に都の約4割を占め、とりわけ多摩地域や伊豆・小笠原諸島は、豊かな自然にあふれ、観光地としてもたいへん魅力的なエリアです。
多摩地域を代表する観光スポットの高尾山は、都心からわずか1時間のアクセスの良さ、気軽に山登りをできる環境が整備され、自然を満喫する憩いの場として、ミシュランガイドの3つ星を獲得し、国内外から年間300万人に及ぶ世界一の登山者数を誇ります。一方、海に目を転じれば、東京は330の島々を有し、観光地としては、伊豆諸島の七つの島が名高く、それぞれ個性豊かな島から構成され、美しい海と雄大な自然に抱かれた風光明媚な景観、島独自の文化・グルメなどの魅力が満載です。
いまなお、進化を続ける東京は、最先端という観点からも見逃すことのできないスポットが多数存在します。SNSでの「映え」をいち早く取り入れたデジタルミュージアムやイベントは、私たちの創造力と未来への期待を大いに掻き立てます。歴史と未来が共存する街・東京で、あなただけの”まだ見ぬ東京”をぜひ発見してみてください。
もちろん、東京観光の発展に他の地域が無くしては、存立し得ません。東京の文化は、当地だけではなく、海外をも含む他の地域の影響を大きく受けた「文化の交差点」です。本フォーラムにおいて、いかに皆さまのお住まい地域が東京に多大な影響を与えているのか、これからどのように影響していくのか、東京に秘められた底なしのポテンシャルを引き出し、発見・発信していただけたら幸いに存じます。
コロナ後、訪日外国人旅行者が目覚ましい回復を見せた余勢を駆って、本フォーラムの開催が観光産業のさらなる発展に寄与することを切に願っております。
最後に、本フォーラムの東京での開催にあたり、東京都並びに東京観光財団の皆さまには、多大なるご支援・ご協力を賜りましたことに、厚く御礼を申し上げます。そして、全国の会員の皆さま、ご関係の皆さまをはじめ、ご来駕くださいます皆さま方のますますのご繁栄とご健勝をお祈り申し上げて、感謝の言葉に代えさせていただきます。