
駐日イスラエル大使 ギラッド・コーヘン氏のスピーチ
イスラエル・パビリオン開館式開催、ユダヤ教伝統「メズーザー」の儀式で祝福
イスラエル国は4月23日、2025年大阪・関西万博会場で「イスラエル・パビリオン」の開館式を開催した。ビジネス界、学術界、政府関係者など各界の要人を含む100名以上が来場し、開幕を祝った。開館式では、ユダヤ教の伝統に則り、「メズーザー」の取り付け儀式も執り行われた。
イスラエルパビリオン開館式の様子
永遠の歴史と革新を融合した展示空間
開館式には、大阪市長の横山英幸氏、大阪府副知事の渡邉繁樹氏、2025年日本国際博覧会政府代表の羽田浩二氏、2025年日本国際博覧会副事務局長の一ノ木真夏氏らが出席。駐日イスラエル大使のギラッド・コーヘン氏と関西ユダヤ教団の宗教指導者(ラビ)シュムエル・ヴィシェツキー氏により、「メズーザー」の取り付け儀式が行われた。メズーザーとは、ユダヤ教の聖典『トーラー』の一節が記された小さな巻物を専用ケースに収め、建物の出入口の柱に取り付ける儀式だ。新たな空間を神聖なものとして祝福し、幸運と成功を祈念する意味が込められている。
最先端デジタル技術を用いた展示空間
パビリオンでは「Forever(永遠に)」をテーマに、国家としての不屈の精神と継承される歴史の重み、そして未来への希望を表現。中心には、約2,000年前のハスモン朝初期の時代にエルサレムで用いられていた貴重な建築石を展示している。この考古学的にも極めて重要な遺物は、万博のために特別にイスラエルから日本へ空輸されたものだ。イスラエルの再生と希望の象徴として、来場者にその存在を訴えかける。
2025年日本国際博覧会協会副事務総長の一ノ木真夏氏は「イスラエル・パビリオンが高い評価を受け、多くの来場者を魅了していることを大変嬉しく受け止めております。特に、貴重な古代の遺物と最新のテクノロジーを間近でご覧いただける展示は大きな注目を集めています」と述べた。
駐日イスラエル大使のギラッド・コーヘン氏は「大阪でイスラエル・パビリオンの開幕を迎えられたことは、私たちにとって非常に特別な瞬間です。日本と同様に、イスラエルも豊かな歴史からインスピレーションを受け、未来に向けて大胆かつ革新的なビジョンを描いています」とスピーチ。さらに「困難な状況下にある今、私たちが2025年大阪・関西万博に参加することは、誇りある意思表示でもあります」と強調した。
メズーザーの取り付け儀式の様子
イスラエル・パビリオンは、セービングゾーン 海外パビリオン S01-61 (COMMONS-C館)に位置し、2025年10月13日まで一般公開される予定。パビリオンの詳細情報は公式サイト(https://expo2025israel.co.il/ja/)で確認できる。古代の遺産への敬意と革新的なテクノロジーを通じた未来への貢献という、イスラエルの二つの側面を体感できる空間として、訪れる人々に唯一無二の体験を提供するという。