ベジタリアン・ヴィーガンの受け入れの中で重要になってくる食材の中で重要なのがお砂糖です。その中でも気を付けなければいけないのが精製された白砂糖です。日本では、実にポピュラーで多くの家庭や飲食店の調理場で砂糖といえば、白砂糖です。
ところが、サトウキビから精製して砂糖を製造する際に、ろ過のために牛骨炭や豚骨炭などの畜産動物の骨を使った骨炭が使われているのです。砂糖を作るまでに、まず砂糖きびを洗って、溶かして、ろ過して、脱色して、煎じて結晶化することで砂糖の形を作ります。その途中のろ過の工程で、骨炭が使われているのです。
ハラール認証で使うお砂糖も、同様に豚がNGなので豚の骨炭ろ過の砂糖はNGとなります。
では、ベジタリアン、ヴィーガン、ムスリムで安心して使えるお砂糖は、何かというと未精製のブラウンシュガー、てんさい糖(ビート糖)、黒糖、なのです。白砂糖でもグラニュー糖などでも最近では、メーカーによって骨炭ろ過をしていない製品もあります。
しかし、日本の大手の食品メーカー開発でもヴィーガンの砂糖の問題は、意外に知られていません。ある会社がノンアニマルカレーを作ってきましたが、お砂糖は?と聞いたら、白砂糖ですと普通に答えていました。それ以外、ホテルのラウンジでコーヒー頼んでも白砂糖以外の砂糖が提供されることはほとんどありません。まだまだ、食の多様性対応は、日本では身近ではないというのが現実です。
そんな中で最近の注目は、糖質オフの流行の流れの中でも注目されている「ラカント」は、ウリ科の植物「羅漢果(ラカンカ)」のエキスと、トウモロコシなどの発酵から得られる「エリスリトール」を配合して作られており、食品添加物は一切使用されておらず、天然素材のみで構成されていて、カロリーや糖類がゼロで、砂糖の甘味に近いため、お菓子や飲み物などに幅広く使用できます。中でも「サラヤ ラカントホワイト」は何とハラール認証も取得しています。スティックタイプもあるので、これ1本でヴィーガンとムスリム対応が可能です。
そして、実は、骨炭は砂糖のろ過だけでなく、水のろ過にも使われているので、砂糖以外にも気を付けなければいけないのです。何気なく必ず使う、砂糖や水にも食の多様性対応が必要なのです。
(メイドインジャパン・ハラール支援協議会理事長)
※観光経済新聞11月18日号掲載コラム