「持続可能性に配慮した調達コード」を細かく触れていくと大変幅広いので、その中からいくつかフューチャーして取り上げていきたいと思います。
まず最初には、「農作物の調達」ですが、調達する農産物に要求される要件としては、食材の安全性、環境保全・資源管理、労働安全の三つの観点からの要件が示され、それらを満たすものとして以下のGAP認証品を挙げている。
JGAP Advance(一財・日本GAP協会は2017年8月にこれを改定しASIAGAPと改名)やGLOBALG.A.P.の認証を受けて生産された農産物、および組織委員会が認める認証スキームによる認証を受けて生産された農産物である。JGAP Advanceは元のJGAP Basicを国際的なGFSI(Global Food Safety Initiative:世界食品安全イニシアチブ)の認証基準にも対応できるように改訂したものである。
また、要件を満たした上で、「有機」品や、障がい者が主体的に携わり生産した農産物なども推奨されている。
日本人の多くの方々がグローバルギャップ(GLOBALG.A.P.)と言われてもピンとこないと思いますが、GLOBALG.A.P.とは、食品安全や労働環境、環境保全に配慮した農業生産活動を実践する企業に与えられる国際基準の認証制度です。G.A.P.は「GOOD(適正な)」、「AGRICULTURAL(農業の)」、「PRACTICES(実践)」の略で、世界130カ国以上に普及しています。2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の食材調達基準としてGAP認証が採用されたことで、日本国内でのGAPの認知度が向上し、全国でGAPの取り組みが広がりましたが、まだまだ、日本農産物の輸出先の多くはアジア諸国であり、欧州への輸出はほとんどないため、輸出のためにグローバルGAP認証の取得を求められている日本の農場はそれほど多くありません。
その他にも有機JAS、USDA Organicなども調達の対象ですが、残念ながら、まだまだ日本では第三者認証を取得した農作物の普及が遅れています。
なぜなら、日本のスーパーへ行っても〇〇さんが作った無農薬の野菜、などが多くの売り場を占めており、最近では、有機野菜のコーナーも少しずつ増えていますがほんの一部です。
ところ変われば、例えば、ハワイのスーパーのセーフウェイの野菜売り場を見ると、スーパーの野菜売り場の多くが「USDA Organic」「NO GMO」と表示された野菜がまさにスタンダードなのです。何も表示がないのは、「ハワイ・ローカル」の野菜です。このような部分でも野菜の第三者認証による食の安全性がきちんと担保されています。
食のサステナブルの安心安全の世界基準は、ここにあります。まだまだ、日本が遅れているのが現状なのです。
(メイドインジャパン・ハラール支援協議会理事長)
(観光経済新聞2024年12月16日号掲載コラム)