【Jack高橋のユニバーサルフードとインバウンドの未来19】食のサステナブル その3 高橋敏也


 次に出てくるのが「畜産物の調達」ですが、畜産物についても、食品としての安全性が重視されるのはもちろんですが、近年、生産段階における環境負荷の低減や労働安全の確保等への配慮も求められ、さまざまな認証制度も開発・普及されるなど、「持続可能性への配慮」が世界的な潮流となっており、畜産物でも、それらを満たすものとして以下のJGAPまたはGLOBAL G.A.P.認証品を挙げています。

 しかし、それだけではなく、生産者における持続可能性の向上に資する取り組みを一層促進する観点から、環境面の配慮が特に優れたものとして、有機畜産により生産された畜産物が推奨され、また、農場HACCPの下で生産された畜産物、エコフィードを用いて生産された畜産物、放牧畜産実践農場で生産された畜産物や障がい者が主体的に携わって生産された畜産物が推奨されます。

 それ以外でもアニマルウェルフェアの観点から、大きな課題となったのが「卵」の調達です。

 最近少し耳にするようになった「平飼い」「ケージフリー」の卵です。日本では、90%以上の養鶏場が「ケージ飼い」で採卵鶏を飼育しています。ケージとは金網でできた鳥かごのことです。これに対して「平飼い」は、鶏を地面の上に放す飼育方法で、鶏たちは鶏舎の中を自由に動き回れる環境での飼育方法のことを言います。

 つまり、「ケージフリー」とは、平飼いや放し飼いなど、採卵鶏をケージの中に入れずに飼育する方法です。従来のケージ内で飼育する方法がアニマルウェルフェアの考え方に反しているという考えのもと世界的には「ケージフリー」が推進されています。すでにスイス、スウェーデン、フィンランド、ドイツなど、ケージ型の飼育方法を法律で禁止している国もあります。

 事実、以下のような選手たちからの嘆願がプレスリリースされていました。

 「東京五輪には100%ケージフリー卵・100%ストールフリー豚肉の使用を! オリンピック銀メダリスト ドッチィ・バウシュと海外オリンピアンたちからの嘆願」(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000033124.html)では、直近のパリではどうだったかというと「全ての食事の動物性食品(肉、魚、乳製品、卵)を少なくとも50%、可能であれば60%削減する」「水産製品は、すべて持続可能性MSC’ASC’LR’organic’etc.labels」「卵(卵・卵ベースの食品)は、100%free―range eggs=100%放牧」「乳製品は、Protected Designation of Origin(PDO)を取得したフランス産のもの」と日本の対応とは、大きな開きが見られます。畜産物においても日本と世界の基準の間には、まだまだ、大きな開きが見られます。

(メイドインジャパン・ハラール支援協議会理事長)


(観光経済新聞1月13日号掲載コラム)

 
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