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次は「水産物の調達」ですが、調達する水産物に要求される要件としては、食材の安全性、環境保全・資源管理、労働安全の三つの観点からの要件が示され、それらを満たすものとして以下のMEL、MSC、AEL、ASC認証品で、その他の認証スキームについては、GSSIの承認を受けていることを挙げています。
では、それぞれの認証はどのようなものか。まずは、日本の団体が運営するMEL(マリン・エコラベル・ジャパン)認証は、水産資源の持続性や環境に配慮した漁業や養殖業、流通・加工事業者を認証する日本の水産エコラベル認証制度です。MEL認証は、科学的根拠を重視しながら、日本の漁業・養殖業の多様性を考慮した認証規格が特徴で、国際連合食糧農業機関(FAO)のガイドラインを満たしており、世界水産物持続可能性イニシアチブ(GSSI)より国際的に承認されています。認証された水産物にはMELのロゴマークが付与されます。
次にAELです。日本国内の養殖業者がラベルを取得し、その商品が消費者に伝えられることにより、養殖水産物の安心・安全の確保につながり、養殖水産物がさらに発展することを目的とした認証です。
一方、国際的な認証となるのが以下のものとなります。MSC認証とは、海洋管理協議会(Marine Stewardship Council)が運営する認証制度で、水産資源や環境に配慮した持続可能な漁業を推進することを目的としています。MSC認証を取得した水産物には「海のエコラベル」が付与され、国際的に合意された基準を満たしていることを示しています。
そして、ASC認証とは、Aquaculture Stewardship Council(水産養殖管理協議会)が運営する認証制度で、環境や人権に配慮した責任ある養殖業で生産された水産物に認められる証です。
最近では、水産物に関するこれらのマークは、国内の大手スーパーマーケットでも徐々に普及拡大して店頭でも目にすることが多くなってきています。しかし、水産業界の世界シェアと業界ランキング(2023年)=出典:水産業界の世界シェアと業界ランキング(2023年)Ⓒ2024Deallab=を見ると、1位マルハニチロ3.31%、2位ニッスイ2.67%と上位を占めている日本での認証の普及度は、まだまだ遅れています。
残念ながら、宿泊業界ではMSC、ASC製品を取り扱うためのサプライチェーンのCoC認証を取得している企業は、ほんの一握りしかありません。
(メイドインジャパン・ハラール支援協議会理事長)
(観光経済新聞2025年2月3日号掲載コラム)